旧大日影トンネルは、平成9年まで中央本線で現役として使われていたトンネルです。明治35年の中央本線開業当時からの遺産であり、平成19年から観光用遊歩道として開放されました。
場所は「勝沼ぶどう郷駅」からすぐの場所にあり、ぶどう狩りシーズンには足を運ぶ人も多くなるでしょう。特に日差しが暑い時は涼しく楽しむことができます。
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大日影トンネルは、甲斐の山々に囲まれた中にあります。そして、ここは新撰組の近藤勇が新政府軍と決戦した古戦場跡でもあります。この地に大日影トンネルが開通する僅か35年前に維新の戦争があったとは、非常に不思議な気持ちになる空間です。 |
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勝沼ぶどう郷駅から歩いて行くと、途中にEF6418の静態保存の車両があります。きれいに塗装され、現役さながらの状態でした。
EF64は、中央本線が主たる活躍の場となった重連運用可能な山間部向け機関車でした。 |
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左には現役の大日影トンネルがあります。石造りの旧トンネル側は、SL時代の「すす」が染み込んでおり、重厚なイメージを出しています。
線路もそのまま残っていました。 |
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内部は一直線であるため、遠くに出口が見えます。しかし、このトンネルは1300m以上あるため、30分ほどかけて歩くことになります。
両サイドはコンクリートで歩きやすくなっていますが、線路の部分はバラストがそのままであるため、歩きにくいのが特徴です。
内部には、当時の資料がパネルとして展示していますので歴史の勉強にもなります。 |
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大日影トンネルは湧水が多い事もあり、一部には排水溝が残っています。現在でも水が流れており、誤って落ちてしまうと痛い目にあいます。 |
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初夏に訪れましたが、内部の気温は10℃ちょっと。風も多少吹き込むので、防寒具は必須です。
それにしても、湿度が70%を超えておりシットリ感が強い気がします。
ちなみに、旧線跡の別のトンネル跡はワインの貯蔵庫になっていますが、巨大な除湿機が稼動していました。やはりワインには湿度は問題ですね。 |
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トンネルの出口側です。こちらも石造りの重厚さがあります。
開放時間外は鉄製の門が閉じられます。
残念なのは、ここまで来たあと同じトンネルを戻るか、ぐるっと迂回して勝沼ぶどう郷駅にもどるかの選択しかない点です。迂回した場合、3時間ほど山道を歩くことになりますが、史跡を観たり甲府盆地を眺望することもできます。体力に自身がある方は迂回がお勧めです。 |
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