2002年1月
2002年1月7日
死者について語ろうではありませんか。
Tは私が高校のころの部活の仲間だった。特に親しく付き合うようになったのは、3年になってクラスが一緒になってからだったろうか。彼は私のすぐ後ろの席に座っていた。体育の授業が自習になったのをよいことに、連れ立って学校を抜け出しボウリングに行ったりしたものだ。
高校卒業後、Tと私はともに関東に出てきた。私は目黒区に、彼は松戸市に。遠い割にはよく行き来した。当時彼はモンゴルに行く準備をしており、モンゴル大使館に行くついでにこちらにも顔を出したということもあった。しかしなあ、大学に入りたてでパチンコばかりしていたTが、「すっちまったから金貸してくれ」と言ってきたときに折あしくこちらもすっからかんに近い状態で、3000円しか貸せなかったとかいうこともあったっけ。松戸に行くときはだいたい麻雀だったかな。入学してから1年くらいで彼は大学をやめ、その後1年ほどで本当にモンゴルに行ってしまった。4年ぐらい行っていたのかな。椎名誠のグループの通訳とかもやったと聞いた。東京からモンゴルまで、酔っぱらった友人たちと電話したこともあったっけ。呼び出しだったから少しモンゴル語を使わないといけなかったのだが、「ヤポン・T・テーヤリヤー」とか何とか、友人の一人が言うのを聞きながらこっちは爆笑していたよ。日本に帰ってからはあまり会わなかったが、またどこかに行くつもりなのだろうと思っていた。音信不通に近い状態だったが、その気になれば連絡ぐらい取れると思って何もせずにいたのが今となっては心残りだ。
Tの冥福を祈ります。黙祷。
2002年1月4日
近ごろの文芸批評というのはいったいどうなっているのかしらと思い、斎藤美奈子『読者は踊る』(文春文庫)を読んでみました。なるほど。これは「鳩よ!」という雑誌に連載された時評的な文章をまとめたものとのことですが、本を読む時間がない人間は読む必要がないというのが率直な感想です。斎藤氏の文章は歯切れが良く明晰で分かりやすく、意思の伝達によく堪えるものだと思います。しかしこの人、自分の頭が悪くてここまでしか書けません、という線引きまで自分からクリアに言ってしまうのですよねー。だから何となく面白くない。「自分は頭が悪いです」と謙遜というか自己規制というかすることで、とぼけるわけでもなく己の境界を区切ってしまう人って最近多いのですか? よく分かりませんが、小谷野敦氏なんかはっきり自分を「バカ」だと言っていますよね。でも小谷野氏の名誉のために言えば、氏はけっしてバカではありません。彼の場合は一種の芸のようなものですね。高橋源一郎氏もよく自分のこと(タカハシさん)をバカだと言いますが、氏も全然バカではないですよね。むしろ、私が今一番好きな批評は高橋氏のものかもしれません。
もっとも斎藤氏もレビュワーとしては優秀なのかも。それぞれに適所があるということでしょうか。
2002年1月3日
新年明けましておめでとうございます。この日記も年を越せるとは望外の喜び、といっても12月に始まったことを考えれば当たり前ではありますが。
正月とはいえ今年は2日から出勤。会社勤めを始めてからは毎年そんなものであります。正月といっても、今年は初詣に行って雑煮を食べただけですし、何があるというわけでもないのですが、何となく情けのうございますな。
今年の目標は会社の他にもちゃーんと仕事をすることと、毎日きちんと寝ることでしょうか。福田和也みたいに忙しそうな(かつ健康優良そうな)人ですら毎日8時間寝ていることを考えれば、私なんか毎日10時間寝たってよいくらいだと思うのです。しかし体がもう一つないと無理ですかねー。欲しいですわ、コピーロボット。