6月
6/30
今度もまた1週間の間隔が。何とも申し訳ない次第です。日記なんて名前はよして、「吉祥寺ランチ週記」とでも改めましょうか。
ともあれ今日のことなど。本日は、新宿まで映画など見に行って参りました。考えてみればほぼ1年ぶりになります。まず1本目は「ハムナプトラ」(笑)。(笑)というのは単なる照れ。私も子供時代にはハガードとか読んだ口ですから、決して冒険活劇は嫌いじゃないのですがなかなか見には行かないもので、今回も知人から東宝の株主招待券をもらわなければ行かずじまいだったでしょう。でもって結果は・・・・たとえるならば、NHKの全国ニュースの後、ローカルニュースの時間。「本日はエジプトからです。死者の都ハムナプトラと、世界の破滅についてお伝えします。・・・・エジプトのワイズさーん?」「はーい、エジプトのワイズです。いまこちらでは、大変なことになってまーす」・・・・こんな感じです。ローカルな世界の破滅。古代エジプトに想像できる世界の破滅への道など、その程度のものだったのかもしれませんが。べつに「ディープ・インパクト」とかなら良いってものでもなさそうですし。しかし、アクションやサスペンスであるべき場面の見せ方が単調なのには参りました。人の背中にカメラが近づいていったら、何かが背中から来るって分かっちゃうでしょーが。ゾンビとか確かに気持ち悪いですが、あの種の気持ち悪さは言ってみれば、生肉でほおをなでられるようなもので、ぜんぜん怖くはないのです。2度目からは慣れます。この調子で2時間やられると・・・・ミミズでも飽きます。ちょっと厳しゅうございました。まあ、無料でしたから腹は立ちませんでしたが。
一方、2本目は「私は告白する」。こちらは対照的に、たいそう面白く見せていただきました。私は映画を見るときに、ついつい腕時計を見てしまう悪い癖があるのですが、「私は告白する」の間はついに一度も目を遣らないままでした(ちなみに「ハムナプトラ」では4、5回は見ています)。並みの感覚なら物語が終わるはずの地点からサスペンスが始まるという手際は、見ていて快感を覚えると同時に、私たちが何に恐怖を感じるのかを的確にえぐり出してくれます。お金払って良かったという感じです。「ヒッチコックについては、いくら知っても知りすぎるということはない」と言ったのはジジェクでしたか。今さらながら、偉さに脱帽いたしました。
ちなみに今日の昼食は、新宿のラーメン屋「桂花」で桂花ラーメン。とんこつコテコテのスープは相変わらずです。確か650円なり。夜は吉祥寺。よく行く「麺餃丼 一圓」でキムチチャーハン。714円なり。チャーハンはいつも通りまずまず美味しくいただきましたが、頼もうと思ったナス炒めが品切れになっていたのが残念でありました。
6/23
また1週間も間が空いてしまいました。今回は忙しかったのです。何というか、生活が少し変化しているような感じです。その中で以前と変わらぬ風を装って日記を書くというのは、なかなか難しゅうございます。
とりあえずいつものごとく昼食のことを書きましょう。18日は和食のお店「織部」で焼き魚膳。金目鯛だか赤魚鯛だかの粕漬けみたようなお魚でありました。19日はダイニングバーの「Flying Spoon」で白身魚のバター焼き。20日を飛ばして、21日は「フォルテ」でステーキ。22日は「鳥ぎん」で、新メニューの海鮮丼の分かれ(海鮮丼にのっているようなものが別皿に盛られているということ)……。まとめて書くと素っ気ないですね。とりあえず、この日記では初めてになる「Flying Spoon」について少し書けば、ここは土日だけランチ営業もやっているダイニングバーです。特に美味しい店というのではないのですが、魚のバター焼きなんて素朴なメニューは意外に見つからないものですから、つい足を運んでしまいます。ほかにコンソメスープとライスがつきます。お値段は、オプションのコーヒーを付けて800円なり。
カルヴィーノ「マルコ・ポーロの見えない都市」「くもの巣の小道」に加えオーウェル「動物農場」を読了。現在はカルヴィーノ「なぜ古典を読むのか」とオーウェル「カタロニア讃歌」に取りかかったところです。読んだものについていえば、カルヴィーノ「見えない都市」は想像力の実験という性格もあるのですが、似たようなイメージが繰り返されるうちにだんだん気持ち悪くなってくるところがものすごいです。「くもの巣の小道」はリリカル。オーウェルは、「1984年」ではひたすらに人をうんざりさせてくれましたが、「動物農場」は悲劇的な昂揚感もあってなかなか面白く読みました。特に、彼が作中で憎んでやまないのは単なる全体主義ではなく、それを支える人間(いや、動物ですか、この場合は)の愚かさだというのは、我々の現在の状況に対しても示唆的です。新たな支配階級に収まり返る豚が悪であるならば、それをシュプレヒコールで支える羊はいったい何なのでしょう。途方に暮れます。
6/16
上野の国立西洋美術館で、エルミタージュ美術館所蔵の「イタリア・ルネサンス美術展」を見る。15世紀になって油絵の具が普及するや技術的な洗練が一気に進んでいくさまがうかがわれ、メディアの速度というものを思わされもしたのですがそれは余談です。なかなか美しい絵が多く、気持ちの良い展覧会でありました。しかし、この企画展よりぐっと人の少なかった常設展示も捨てたものではありません。国立西洋の所蔵品は、はっきり言って充実してます。1998年購入の新収作品がまとめて展示されていましたが、カルノ・ドルチとかいう17世紀の人の「悲しみの聖母」という絵が非常に美しゅうございました。残念だったのは、モローのサロメの絵が貸し出し中だったこと。常設展示を見るときは、あの絵は絶対に外さないようにしているのですが……。またいつか見に行きましょう。
6/15
この日記を書くのもだいぶ久しぶりになってしまいました。書くネタがなかったというのもあるのですが……。一度怠けてしまうと復帰するのはなかなか大変なのです。
気を取り直して今日の昼のことなど書けば、例によって「シャポールージュ」へ。味や雰囲気ばかりではなく、午後4時までランチ営業をしているという使い勝手の良さもこの店の大きな魅力の一つです。この日記では既に2度ばかり登場した、昼メニューのピラフガノフをいただく。いつもの通り野菜のスープに始まって、サラダにメイン、デザートのババロアまで。いつもと同じく美味しゅうございました。
閑話休題。カルヴィーノで読んでいなかったものをまとめて読もうと思い、これまで『冬の夜ひとりの旅人が』と『不在の騎士』を読了。現在は『マルコ・ポーロの見えない都市』を読んでいます。『不在の騎士』は、それに連なる『まっぷたつの子爵』『木登り男爵』同様、寓意性の強い作品でなるほどという感じ。しかし『冬の夜ひとりの旅人が』は無類に面白うございました。主たる構成物は、中断されるいくつもの小説と、それらを読む・読まされると同時にその「続き」を追い求める男性読者・女性読者を中心に据えた物語です。この構成は、単にお話の筋の一貫性をずらすだけではなく、現実の読者に「私たちは『冬の夜ひとりの旅人が』という小説を読んでいるのではなく、さまざまな小説を男性読者らと一緒に追っているのではないか」と思わせることで「一冊の本」「一つの作品」という考え方を揺るがし、さらには私たちがなぜ娯楽のために本を読むのかという問題へと迫って行きます。凝った構成を生かすため絶対に必要となる、部品というべき「中断される小説」の面白さも文句なし。いずれも期待させる場面で終わってしまうのがたまりません。どんな小説、という説明が無効になるような、「小説そのもの」を読んだ気がします。もう何冊か読んだらまたリポートいたしましょう。
6/2
最近のニュース。長いこと探していた小原愼二の漫画『ぼくはおとうと』を入手しました。だいぶ前に絶版になったものですし、作者の言葉によれば驚くほど売れなかった本らしいですから古本屋でもなかなか見つからず、ずうっと探しておりましたのです。しかし、題名からしてほのぼのとした漫画なのかと思いきや、けっこうエロスな漫画ではないですか。むろん性描写があるというのではありませんが。セリフ回しが気に入ればなかなか面白く読めるでしょう。お姉さん綺麗ですし。今出し直せば、私のように『菫画報』で小原愼二を知った読者がけっこう買うのではないかと思われます。講談社は出す気ないのでしょうかねえ。
ランチに関しては、先月31日の分から書きましょう。当日はまた食べる物を思いつかず、ええい、変わった物でも食べてやれということでベトナム料理屋さんの「ミス・サイゴン」へ。表の看板にでていたバゲットサンドにちょっと惹かれたというのもあるのですが。しかしこうしてみると、私はけっこうエスニックにも行ってますね。ともかくバゲットサンドを注文。皮の固い、丸い大きなパンに、パテやハムやレタスやキュウリや豚の挽き肉のようなものが挟んであるものを、ベトナム風のソースにつけながら食べるのです。「ベトナムのファストフード」とあったのですが、実際そのようなものなのでしょう。なかなか美味しゅうございました。これにベトナム茶が付くので、ドトールよりも良いかもしれません。お値段は630円なり。今度はベトナムチャーハンにでも挑みましょう。
続いて1日。暦に従えば当日から夏であろうということで(実際暑くもなりましたし)、涼をとるため「一圓」で冷やし中華など食べる。本当のところを言うと冷やし中華はそれほど好きではないのですが、一圓のは美味しいかどうかと思いまして。結果は……なんか普通でした。美味い冷やし中華というのは得難いようです。そういえば冷やしラーメンが食べたいですねえ。でも東京ではあんまり食べさせるところないのです、これが。
でもって今日2日。すこしボリュームのあるものを食べようと思い、イタリア料理屋さんの「みすとまーれ」でスパゲティをいただく。例のごとく食前酒に、サラダ・前菜2種。スパゲティは「本日のパスタ」の、ナスとベーコンのトマトソース・スパゲティを食べる。味の濃いしっかりしたソースでした。デザートはいつも通り2品を選択。ちなみに今日は、カボチャのプリンとゆずのシャーベットを選びました。それにコーヒーまで。これでお値段は1155円なり。やはりリーズナブルな店と思います。