目の前に立つのは長い階段の間に見える小さな石造りの建物



そして頂上には


戦いの女神アテナ像が豆粒大の大きさに見えるほど


「すごい・・・」


「下は青銅・白銀聖闘士達が日々訓練と共に皆協力し合い生活をしている。

 そしてもう見えてはいると思うが長い階段の間にある建物達は

 ここ聖域の要といえる聖なる砦

 我ら黄金聖闘士に守られた黄金十二宮だ。

 双子宮は下から三番目の宮にある」


「ありがとうございました!!」


「気にするな。お前は自分の意思で此処まで来たのだ。あとはあの二人に任せたらいい」


そう言ってシャカ様は居なくなった


目の前に長く続く階段を昇る


二人への想いを一歩一歩踏みしめながら





白羊宮



この一週間であやゆることを覚えた私は

この白羊宮を守護するのがあの日受付に立っていた

ムウ様であることを知った


「ムウ様!!」


!ようやく来れましたか!」


あの綺麗な格好ではなく今は聖衣を修復するため作業着を着ていたムウ様は


私を見ると慌てて駆け寄ってくれた


「はい!ちょっと色々手続きとかありましたから。」


「そうですか・・・でも無事来れたようで安心しました」


「シャカ様が連れて来て下さったので。」

「そうでしたね。」


「それよりムウ様・・・・」


実は聖域に私が来る事は二人には内緒にしてもらっていた。


「大丈夫ですよ。もちろん二人には秘密にしています。他の黄金聖闘士たちも約束は守る者達ばかりですから」


「ありがとうございます!!」


「ふふっ。さぁ〜お行きなさい。このさき金牛宮を抜ければ双子宮へ行けますよ。」

「はい!」


「アルデバランは先ほど訓練のためコロッセオに向かったので無断で通っても構いません」


ペコリとお辞儀をして私は再び長い階段を登りだした。





早朝着いた聖域でも、すでにお昼近くなりようやく双子宮に辿り着いた




呼吸を整え想いも整える



「ふぅ〜落ち着け私・・・・頑張れ私・・・・」


決心し息を吸い込む




「サガーーーカノンーーー!!!!」




双子宮に響き渡るように大声で二人の名を呼ぶ



ガタンッ!!!!



中から大きな音が聞こえ



その音が耳に入った瞬間


私は前と後ろから同時に抱きしめられていた


「「!!!」」


二人の声が重なる



「サガ!カノン!!」



身動きが出来ないけど


それ以上に私は幸せだった



やっと来れた


二人の元へ



「どうしてここに居るのだ!?」


前から抱きしめていたのは・・・サガ


体を離し・・・その瞳に輝く涙が見えた。


それにドキリとする。


「うん・・・実は結婚はやめて・・・ここで暮したいと思って・・・」


後ろで抱きしめていたカノンも力を緩め


「では・・・これからはここで暮すのか?」


コクリと頷くと彼の目からも涙があふれ出た。


「あ・・あぁ、私は夢を見ているのかカノンよ!」


「それは俺だって同じだ!!サガ!!」


二人はお互いの頬を殴りあう・・・・・



「あ・・・あのぉ・・・・夢じゃないわよ?」


その行為がだんだんエスカレートしていたのを止めることが出来た。


「でも・・どうしてだ・・?」


「サガ・・私運命を信じたい。あの日貴方に出会えて変われたの!」


・・・」


「私・・・人生自体が楽しくなくて・・・どうでもいいって思ってた。

 でも・・二人に出会って・・・恋に時間なんて関係ないものだとわかったわ。

 それに・・・・・私・・・・」



・・・お前が俺かサガどちらかを選らぶまで俺は待つと言ったな?」


「う・・・ん」


「だが考えたんだ。私達はやはり血が争えない双子だということを実感した・・・
 
 私が愛する者はカノンも愛する・・・そして」


「俺が愛する者はサガもあいするってことをな・・・」


「うん・・・」



二人は肩を並べて立つ

こう見たら雰囲気が違うから例え同じ顔でも見分けがつく


「でだ・・・どちらか一人が選ばれるのも不公平な気がする。」



「?」


「なにせ私達は双子だから。全て平等でなければならん」


え・・?誰がそんなこと考えたのかしら・・?



「よって・・・覚悟を決めてが尋ねてきた場合

 二人で仲良くを愛することを決めたんだ」


「!!!!!」


他の黄金聖闘士から聞いた話ではサガとカノンは史上最悪の仲らしく


二人が暮す双子宮はいつも兄弟ケンカで半壊状態


そんな二人が仲良く協力して・・・・





でも・・・・




私が二人を愛している気持ちは本当だから



二人には悪いけど


その気持ちがすごく嬉しかった



私には二人のうちどちらかを選ぶなんてこと



できない





その気持ちを察してくれたからきっと今回のようなことになったんでしょうね



「ありがとうサガ・・カノン・・」


それぞれに抱きつく



二人を愛してしまってごめんなさい・・・・



でも誓います



もう迷いません



これからはサガとカノンを愛してそして愛されて


この聖域で暮します。





「「愛している」」



二人の声が重なり愛の告白


もうこれだけで充分です!



「私も!サガもカノンも愛してます!!」



微笑む貴方達をこれからもずっと


かわりない愛を・・・・・。






















今までの私の人生は平凡でした


毎日が同じ事の繰り返し


正直飽き飽きしてました・・・


そんな私にも婚約者がいました


世間体ばかり気にして


私自身を愛してはくれていなかった



それでも私は良かったのかもしれません



でも・・・


出会ってしまったのです


”運命”の名の元


二人の男性に



その人達は姿形は同じでも

それぞれ個性があります


そんな二人を愛し愛され


私は全てを清算して


ギリシアへ来ました




これからの人生はガラッと変わり


兄弟ケンカを止めながらの毎日です


それでも二人は私に向けてくれる笑顔が誰よりも優しいから



つい許してしまいます。



そんな私達もアテナの御加護の元



来週結婚式を挙げます



異例ですが


多夫一妻



私が生きてきた中でこの言葉の逆は聞いた事があるけど


これは聞いたことがありません・・・・









それでも―――









「「」」




差し伸べられる二つの手をしっかりと握り




ケンカしながらでも



私達らしく



幸せに



生きていくことを




ここに





誓いまか?










「「「はい!誓います!!」」」



これが私の望んだ長い人生の道!




終わり












あとがき




この作品はFEVER様へキリバン夢として捧げさせていただきます。
今回希望もあり細かい設定をしてくださったのですが
それを忠実に再現することができませんでした(汗)
すみません!!
しかもやたらと長いある意味中編並ですが
喜んでいただけたら嬉しいです。
始めサガかカノンどちらかでサガと申されたのですが
あえて二人に愛してもらおうと思いました!!
婚約者がかなりデバってますが・・・
キーワードは"運命"にしてみました。
運命の恋ってかなり私の中では憧れです!

それではFEVER様!長くて意味のわからない夢ですが
お気に召しましたらどうぞお持ち帰りください!


2005.07.13
水神剣



TOP
1