The Tenkai Pennies/天海ペニー |
書籍『コインマジック事典』収録(高木重朗ほか編/東京堂出版)1986 書籍『奇術入門シリーズ コインマジック』収録(二川滋夫著/東京堂出版)1987 |
石田天海 |
演者は2枚の小さな銅貨(アメリカン・ペニー)を取り出し、テーブルにコツコツとぶつけて示してから両手に1枚ずつ握ります。 |
手のひらで行うHang Ping Chien's Moveとでもいうべき、独特の技法を使うCoins Acrossです。上記のように、伸ばした人差し指でコインを指し示す方法が石田天海のオリジナルと言われていますが、親指と人差し指でコインをはさみ指先まで引っ張って裏返すという示し方を、David Rothが「Deep Palm Tenkai Pennies」の名で発表しています。David Rothは、Back PinchではなくClassic PalmとKaps Subtletyを使うこの Methodに、さらにさまざまなクライマックスを付加しており、それらは『Expert Coin Magic』で見ることができます。 「Penny and Nickel Transposition(Herbert Zarrow)」もまた、この「The Tenkai Pennies」のプロットを別法で実現した作品です。客から見た現象はほぼ同じですが、異なる2枚のコインを使った移動現象であるため「The Tenkai Pennies」の原案を知っている人にこそ効果的です。Back Pinchを用いる点は同様ですが、そのタイミングとハンドリングが異なります。 Larry Jenningsも「The Tenkai Pennies」の最後に変化現象を加えた、テクニカルな改案を発表しました。「Copper to Silver Times Two」は2枚の銅貨(イングリッシュ・ペニー)で「The Tenkai Pennies」の演技を行い、最後に2枚ともが銀貨(ハーフダラー)に変化するという作品です。 さらに「The Tenkai Pennies」の影響を強く受けた作品として「The Deep(Chris Kenner)」などを挙げることができます。4枚のコインを使ったCoins Acrossですが、左右の手に2枚ずつのコインがあることを示すために「The Tenkai Pennies」のムーブを2枚で行います。また、開いた手のひらの上にDeep Backclipのポジションからダイレクトにコインを出現させるなど、その手順はかなりマニアックなものとなっています。 |
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(参考) |
◆ Book ◆ Video |