Scotch & Soda/スコッチ・アンド・ソーダ
Johnson Productsより製品として発売
 

演者は銀貨(ハーフダラー)と銅貨(メキシコの20センタボ)を取り出し、銀貨が銅貨よりほんの少しだけ大きいことを示します。そして、人間の感覚は非常に頼りないものだという説明をします。

客に左手を出してもらい、2枚のコインを握らせます。次に拳にした左手の中から大きいと感じるほうのコインを右手でつまみ出し、前に出してもらいます。感覚は正しく、客が取り出したのは銀貨です。左手を開いて残った1枚を出してもらうと、銅貨であったはずが、さらに小さい銀貨(クォーター)に変化しています。

Scotch & Sodaという名称は、スコッチのソーダ割りを賭けたBar Betに由来します。非常に古くから存在するGimmicked Coinで、これを使ったマジックとしては、客に握ってもらう演出のほか下記の手順が有名です。

演者は銀貨(ハーフダラー)と銅貨(メキシコの20センタボ)を示します。透明なグラスを横に倒し、内側の側面に2枚のコインを少し重ねて乗せます。この状態を客によく確認してもらい、そのまま口が上を向くようにゆっくりとグラスを傾けていくと、2枚のコインがグラスの底に触れた瞬間、銅貨だけが底を通り抜けてグラスの下に抜け出てきます。銅貨、グラス、そしてグラスに残っている銀貨のすべてを客に調べてもらうことができます。

また(参考)に挙げたビデオの中で、David Rothは、このGimmicked CoinとSpellboundを組み合わせた以下のような手順を行っています。

「Effect」と同様に客に2枚のコインを握らせ、どちらか一方を取り出してテーブルに置いてもらいます(仮に銀貨だったとします)。演者はポケットに手を入れて1枚の銀貨を取り出し、これから客の拳の中のコインと演者が持っているコインを入れ換えると説明します。今、客の拳の中に銅貨があり、演者が銀貨を持っている状態ですが、演者が指先の銀貨をもう一方の手でこするとコインは銅貨に変化します。客の手を開いてもらうと、たしかにコインが銀貨に変化しています。

Scotch & Sodaは製品によってさまざまなバリエーションがあり、完全にロックされるものやマグネット式など、多用なモデルが存在します。また、加工に用いられるコインもさまざまで、より小さいコインで製作された「Dime & Penny」といった商品も存在しています。


(参考)
◆ Video
・David Roth「Scotch & Soda」「Dime & Penny」『David Roth's Expert Coin Magic... Made Easy ! Volume10』(A-1 Multimedia)1996