Twisted Sisters/ツイステッド・シスターズ
A-1 Multimediaより製品として発売
John Bannon/ジョン・バノン

8枚のカードを使います。赤裏のカードが4枚、青裏のカードが4枚、それぞれ手から手に数え取って8枚を示した後、テーブルに置きます。

1人の客に赤と青のパケットのうち、好きなほうを選んでもらいます。説明の都合上、仮に赤裏パケットだったとします。ここで演者は「この4枚がクイーンだと想像してください」と言い、ひとつのスートを心の中で思ってもらいます。説明の都合上、仮にそれがハートだったとします。

次に青裏のパケットを取り上げ、別の客に、今度は違う色のスートを選んでもらいます。最初の客から思ったスートの色を聞き(この場合はハートなので赤)、それと反対の色(黒)で決めてもらいます。説明の都合上、仮にそれがスペードだったとします。ここまでで演者がわかっているのは、それぞれのパケット内で選ばれたスートの色だけです。

演者は「2人のカードを表向きの状態にし、さらに入れ替える」と宣言し、パケットにマジカルジェスチャーをかけます。それぞれの客に選んだスートを聞いて両方のパケットをスプレッドすると、たしかにカードが入れ替わっていることがわかります。すなわち青パケットをスプレッドするとハートのクイーンが表向きに現れ、それが赤裏であることが示されるのです。同様に裏向きの赤パケットから1枚だけ表向きのスペードのクイーンが現れ、青裏であることが示されます。

もしほかのスートを選んでいたらどうなっていたかという疑問に応え、残りのカードを表向きにすると、6枚はすべてジョーカーです。客は、演者が最初から用意したスートの組み合わせを指定したことがわかります。

B'wave(Phil Goldstein)」にインスパイアされ、John Bannonが発表したトリックです。

「B'wave」は「Four-Card Brainwave」プロットの延長線上にあるものです。すなわち、1、相手の思い浮かべたスートが予言されているという「Brainwave Deck(Dai Vervon)」の構想。2、客の思ったカードのみが表向きになりその裏面が異なっているという、Paul Foxのアプローチ。3、残ったカードはすべて選ばれたカードとまったく異なっている(Twisted Sistersの場合はジョーカー)というKarl Fulvesのエンディング。といった要素を取り入れつつ構成されたトリックの、ひとつの完成形と言えます。ここに「Thought Card Transposition(客が思ったカードの交換現象)」プロットを組み合わせたのが「Twisted Sisters」であると、考案者であるJohn Bannonは述べています。

しかし客の目に映る現象は似ていても「B'wave」がPrediction(予言)またはSympathy(同調)現象であるのに対し、「Twisted Sisters」は物理的なReverse(裏返る)およびTransposition(交換)現象であるという意味で、種類の異なったマジックであると言えます。ですから私はこの作品を「B'wave」の改案とする意見には賛成できません。

「Twisted Sisters」は「B'wave」と発想を異にした、きわめてマニアックな作品と言えます。それだけにこの手順を客を混乱させることなくきちんと演じて見せるには相当のプレゼンテーション能力が必要です。


(参考)

◆ Products
・Phil Goldstein「B'wave」レクチャーノート『金石箱根』(前田知洋訳/マジックランド)