■ ポーカーサイズ vs ブリッジサイズ

私が学生時代に所属していたマジッククラブでは「今入部すれば、高級外国製トランプをもれなく1個プレゼント」という文句で、新入部員を募っていました。当時700円ほどだったCaravanを「高級〜」とはよく言ったものですが、まあ罪のない勧誘の台詞といったところでしょう(笑)。
 そんなわけで私がマジックを始めた当初は、与えられるままにブリッジサイズのカードを使っていましたが、その後、メーカーも含めていろいろと試してみた結果、今ではBicycleのポーカーサイズをもっとも多く使うように落ち着きました。

マジックに使う道具の条件として重要なのは、いかに自然に演技ができ、それが美しく見えるかです。ポーカーサイズの優位性といったことがときどき話題となりますが、演者が思うほど客は両者に違いを感じておらず、そこにこだわるのは演者の自己満足でしかないというのが私の持論です。カードは自分の使いやすいサイズを選べばよいでしょう。
 ところで、あえてこんなことを書いているのは、先日あるマジック関連のサイトで下記のような記事を見つけたからです。

--- 強硬に「ポーカーサイズを使うべきだ」と主張し続けている某マジック団体がある。その理由は団体が大量に製作したデックがポーカーサイズで、それを販売する必要があるからだ。裏がわかってみればこんなものである。---

サイト管理者の主張はさらに「そのデックは高価な上に質が悪く〜」と続くのですが、私は現物を見ていませんし、おそらくそのデックを使うこともないのであまり関心もありません。しかし、自分たちが販売している製品を売るためにポーカーサイズ必須論を編み出したのだとしたら、その団体はなかなか商魂たくましいなあとは感じます。あまり経験のない初心者であれば、頭から信じてしまうのではないでしょうか。

かつて「高級トランプ」を与えられて、密かに喜んだ私が言うのですから間違いありません(笑)。