この小説は「プリンセスハウス」(セサミン)のごまさんから誕生日プレゼントにいただきました。
サイト改装の際一度クローズしたのですが、再アップしました。
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「星に願いを」
部屋に入るとカーテンが、窓からひらひらとゆれている。
ふぁきあは風にゆれる布を、手で押さえると向こうに見慣れた銀色の髪が目に入った。
「何してるんだ?みゅうと」
「星が綺麗だから、見てるんだ。」
みゅうとは、返事をしながらもそのまま空を見上げている。
「そうか…」
ふぁきあは、隣までゆっくり歩いて行くと同じように空を眺めた。
空は雲ひとつなく、星々は月の光に負けないほど瞬いていた。
「そうだね、あれなんか特に綺麗だ」
みゅうとの見ている方向の空を、見上げると小さいけれど白い光がキラリと光って消えた。
「流れ星じゃないか、珍しいな」
「珍しいの?」
不思議そうに、首をかしげるみゅうと。
「そうだな、あまり見ない」
柔らかく笑って答えるふぁきあ。
それを見て、みゅうとは少し考えているようなしぐさをし、急に問い掛けた。
「ふぁきあは、願いごとはしないの??」
「願い事?なんだそれは?」
いきなりな話題に、ふぁきあは顔をしかめた。
しかし、みゅうとはおかまいなしに「うーんと」・・といってそのまま話続ける。
「さぁ?るうやあひるが、言ってたんだけど遠くの国では、流れ星が消えるまでに願いごと3回言うとかなうって おまじないがあるんだって」
「それいつの話だ?」
(願い事?)
なんだかどこかで同じような話を聞いた気がして、ふぁきあは少し思いあたる節を聞いてみる。
「今朝だよ?」
「それで、今朝から泊まりだなんだと騒いでいたんだな」
今朝方のあひるとるうが、二人で何か楽しそうに約束していたのを思い出してふぁきあは、少しあきれた風に笑った。
たぶん、今頃は同じように窓から空を見上げているだろう。
「それで、ふぁきあは願わないの?」
「俺は……別に」
黙り込むふぁきあを、みゅうとはじっと見つめた。
「お前こそ、ないのか?」
ふぁきあはごまかすように、焦って答えた。
そう急に振られても思いつく訳もない。
「僕の願いはかなったから、今度はふぁきあの番だよ」
優しく笑って、みゅうとはそう言う。
「俺の願いは…」
「いや…別にいい…」
ふぁきあの脳裏を何かよぎったが、彼はそれをあえて口に出す事は避けた。
少し赤くなった顔を、見て微笑むみゅうと。
「それじゃあ、僕の願いは ふぁきあの願いがかないますように、にしようかな」
のんびりと答えるみゅうとの答えに、ふぁきあは少しながら驚いた。
「俺じゃなくて、るうの間違いじゃないのか?」
「るうは、今夜自分でお願いするよ」
みゅうとはにっこりと微笑んで、さらりと答えた。
そして、小さく呟く。
「今の僕には、これぐらいしかできないし…」
「し?」
「ふぁきあは、僕にとって大切な家族だから、幸せになって欲しいんだ、ずっとね」
「俺は、別に今に不満はないが…」
今は、もう物語の世界の支配もなくなりこうして毎日は平穏に過ぎている。
特にどうしたいとか言う切実に願う気持ちは、特にないはずだ・・・。
「そう?でももっと幸せが隠れているかもしれないから」
何かを知っているかのように笑われると、ふぁきあも何も言えなくなってしまう。
ないはずだから。
「…」
「よくわからないが…冷えないようにしろよ」
ふぁきあは、そう言うと自分の羽織っていた上着をポンと投げて部屋に戻っていった。
上着を受け取りながら後ろ姿に、ポツリとみゅうとは呟いた。
「新しい家族が増える…とかね」
小さな呟きはふぁきあには届きそうになかったが、みゅうとは満足そうに星空を見上げた。
流れる星を、また見つけながら・・・。
END