*水彩色鉛筆の絵の描き方
知識編その5.
かたちのとり方のコツ〜立方体編〜
1.では次は箱などの立方体や直方体を描くときのコツだよ。
2.ではペペ君に質問。ここに同じ高さの棒が2本あります。
3.それを図の様に道に沿って並べると手前から見て赤の棒と緑の棒はどっちが長く見えるか分かるかな?
4.それはもちろん赤い棒です。
5.そう、同じ長さの棒でも手前のは長く、奥に行けば行くほどほど短く見えるよね。この見え方を使った技法のことを遠近法といいます。つまり2次元の平面の紙の上に、奥行きのある3次元の空間を描き出せるってことですね。そして奥にいくと棒も道も最後はひとつの点で交わりますが、この点のことを消失点といいます。
6.それではもうひとつ質問だよ。
7.上の図の1と2ではどちらが正しい立方体(すべての辺が同じ長さの直方体)の絵か分かるかな?
8.えっ?難しいなあ。1の方がすべての辺が同じ長さの立体って感じがするけどなあ…。
9.ではこの様に補助線を引いたらどうかな?
10.あ、分かったぞ!1の補助線は平行だけど、2は交わりそうだなあ。そうか、さっき習った遠近法のことだな。だったら正解は2。
11.そのとおり!2の3つの辺を延長していくと1つの点で交わります。これが消失点だったよね。反対側の3つの辺も交わるはず。つまり2は遠近法に基づいて描かれているってことが分かるね。
12.すべての辺が同じ長さの立方体でも実際の見え方はa>b(aがbより長い)、a>c、d>e、f>gとなることを覚えておこう!それから立方体の場合dやfがaより長くなる事はありえないって事も分かるよね。
13.りんごなどの自然の物とは違って、人工的な立方体や直方体は比率や遠近法を無視して描いてしまうと、不自然な絵になってしまうから注意が必要だよ。ただ、小さな箱などを描く場合などは、手前と奥に遠近をつけなくても大丈夫だけど、ただ手前より奥が長い(高い)逆遠近にならないように注意が必要だよ。
14.さてさて次は茶筒やコップ、お皿などのかたちを描くときに必要な知識だよ!
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