*水彩色鉛筆の絵の描き方
知識編その7.
モノを立体的に描くコツ〜明暗編〜
1.ここでは『モノを立体的に描くには?』ということについて考えるよ。
2.ここに赤い丸があります。でもこれでは立体的な球には見えないよね、そこで…。
3.このように光を当てて、陰を描くとほらこの通り、立体的な球になりました!
4.つまりモノを立体的に描くには光のあたっている明るいところと陰になっている暗いところを見つけて描くといいんですね。
5.そのとおり!この様な球体で説明すると…。
6.物に光が当たると図のように光の当たってるところは明るくなり、その反対側は陰になります。そして床にもそのものの影ができます。また床と接している付近は床からの反射光で少し明るくなります。
7.では球体ではなく、箱などの立方体や直方体等の場合の明暗のでき方はというと…。
8.そこでペペ君に質問。この箱の3つの面を明るい順にならべてみて。
9.え~っと、A、C、Bです。
10.正解!箱の場合は面で分かれてるから明暗が分かりやすいね。箱の色や模様などに気をとられて描いていると、平面的な絵になるときがあるよ。そんなときはこの面どうしの明暗をつけると立体的感が出てくるよ。
11.では次は円柱の明暗の出来方だよ。ペペ君どこが一番暗いか分かるかな?
12.えっ難しいなあ…。さっきの箱は面どうしだったから分かりやすかったけど、模様もあるし…。
13.そういう場合は目を細くしてモチーフを見るといいよ。目を細めると箱のもようや色味が弱くなり、大まかな明暗がつかみやすくなるよ。
14.円柱の場合の明暗の出来方は、図のようになります。目を細めて一番暗いところを見つけて、自然な感じにグラデーションをつけていくのがポイント。
15.また中が空洞の筒状のものは外側と中側では明暗のつき方が逆にできるよ。
16.実際にコーヒーカップなどを見るとよく分かるね。
17.ではぺぺ君、このリンゴの明暗描き分けられるかな?
18.えーっと、リンゴは丸いから球体として考えればいいのかな?でもまん丸じゃないしなあ、う~ん…。
19.分かりにくい場合は大まかな面でとらえて、明暗をみてみよう。そして同じ面の中で微妙な明暗差を描き分けていくといいよ。またモチーフと床が接してる部分を接地線といいますが、ここを強く描くと絵がひきしまります。
20.なるほど!
21.光と陰によってモチーフに立体感が出ることが分かったけど、その光の当たり方も重要なんだよ。光がどこから当たるかによって、同じモチーフでも印象が全然変わるよ。
●正面からの光<全光> 明るい部分が多く、平面的な感じで立体感を表すのが難しい。
●後ろからの光<逆光> 背景が明るく、モチーフが暗くなる。ドラマティックな印象。
●斜め上からの光<サイド光> 適度に明暗がつき、立体感が出しやすいので描きやすい。
22.へえ、サイド光が一番描きやすそうだな。でも逆光も表情が違って見えてステキだなあ。
23.そうね、モチーフを一番美しく見せる光を選ぶ事が大事よ。そしてあとひとつモノを立体的に描くコツがあるよ、それは次で…。
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