1951−55年


1951年

帰去来殺人事件(週刊朝日1増刊)  作者評価:C

抱擁殺人(ホープ1)  作者評価:C

黒衣の聖母(講談倶楽部2)

東京魔法街(宝石3)

山童伝(面白倶楽部3)

鼻→陰茎人(探偵倶楽部4)

二つの密室(小説公園7)

新かぐや姫(面白倶楽部8)

渡辺助教授毒殺事件(週刊朝日10増刊)

悪霊の群(講談倶楽部10−27・9)  ※高木彬光との合作

心中見物狂(富士12)

 

1952年

赤い蝋人形(面白倶楽部1−2)

男性周期律(あまとりあ2、7)

怪盗七面相[連作第七回](探偵実話4)  作者評価:C

色魔(富士6増刊)

恋罪(探偵実話7−8)

呪恋の女(りべらる7)

真夏の夜の夢(サンデー毎日7増刊)

女探偵捕物帳(りべらる8−12)

死者の呼び声(面白倶楽部8増刊)

十字架姫(小説倶楽部11)

裸の島(講談倶楽部12)

 

1953年

女妖(面白倶楽部2)

戦艦陸奥(面白倶楽部6)

二人(小説倶楽部6)

女の島(講談倶楽部6)

墓掘人(面白倶楽部8)

赤い靴[妖異金瓶梅1](講談倶楽部8増刊)  作者評価:A

潜艦呂号99浮上せず(面白倶楽部10)

霧月党(講談倶楽部12)

黄色い下宿人(別冊宝石12)

十三の階段[連作第一回](探偵倶楽部12)

 

1954年

贋金づくり(探偵倶楽部1)

パンチュウ党事件(面白倶楽部2)

盲僧秘帖(探偵倶楽部2−6)

ハカリン(講談倶楽部2増刊)

美女と美童[妖異金瓶梅2](面白倶楽部4)  作者評価:A

降倭変→朝鮮役悲歌(講談倶楽部4)

落日殺人事件(読切小説集4)  作者評価:C

銭鬼[妖異金瓶梅3](宝石4−6)

最後の晩餐(小説倶楽部4)

ビキニ環礁午前四時(講談倶楽部5増刊)

生きている影[連作第二回](探偵実話6)

誰も私を愛さない(週刊タイムス6−8)

変化牡丹[妖異金瓶梅4](キング6増刊)  作者評価:A

明治忠臣蔵(面白倶楽部8)

閻魔天女[妖異金瓶梅5](小説倶楽部8)  作者評価:A

二十世紀ノア(講談倶楽部9)

幽霊船棺桶丸(面白倶楽部9)

漆絵の美女[妖異金瓶梅6](キング9)  作者評価:A

悪霊物語[連作第三回](講談倶楽部9増刊)

麝香姫[妖異金瓶梅7](キング10増刊)  作者評価:A

妖瞳記[妖異金瓶梅8](別冊宝石11)  作者評価:A

お女郎村(講談倶楽部12)  作者評価:C

女狩(小説と読物12)  作者評価:C

西門家の謝肉祭[妖異金瓶梅9](小説公園12)  作者評価:A

ドンファン怪談(小説倶楽部12)

 

1955年

傾城将棋[女人国伝奇](面白倶楽部1)  作者評価:C

邪宗門頭巾(小説倶楽部1)

男性滅亡(読切小説集2)

完全なる結婚(読物娯楽版2)

冬眠人間(講談倶楽部3)

春本盛衰記→春本太平記(小説の泉4)

蕭蕭くるわ噺[女人国伝奇](面白倶楽部5)  作者評価:C

鳴け鳴け雲雀[いだてん白里](小説倶楽部6)  作者評価:D

剣鬼と遊女[女人国伝奇](面白倶楽部9)  作者評価:C

天皇と美女と暗殺→天衣無縫(講談倶楽部9)

雨の国(小説の泉9)

飛び散る天狗[いだてん百里](小説倶楽部10)  作者評価:D

ノイローゼ(文芸10)

寝台物語[連作](面白倶楽部10増刊)

殺人喜劇MW(講談倶楽部11別冊)

行灯浮世之介[妖説忠臣蔵](読切傑作集11別冊)

殺人蔵[妖説忠臣蔵](オール読物12)  作者評価:C


この時期の山田風太郎

 1953年に啓子夫人と結婚し、54年には長女の誕生という私生活の上でも充実していた時期にあたります。この頃から作品にも漸く、今の私たちが読むことのできる「山田風太郎らしさ」が現れてくるようです。
 この時期において特に注目すべき作品は、何と言っても『妖異金瓶梅』にまとめられる短編の数々でしょう。後の「忍法帖」シリーズの間接的なきっかけともいえるこの連作短編は、山田風太郎自ら「自分なりのベストテンに入る」と認めるもので、原作『金瓶梅』の翻案としても高い評価を得ています。また、明治もののはしりと言うべき「明治忠臣蔵」や「天衣無縫」が既に書かれていることも目を引きます。
 ところで、初期の風太郎作品には、芥川龍之介の小説からタイトルを貰っているものがいくつかあるのですが、お気づきですか。とりあえず「鼻(陰茎人)」「黒衣の聖母」「蜃気楼」といったところ。他にもあるかもしれません。

 

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