1961-65年


1961年

謀反人系図→忍者仁木弾正(別冊週刊大衆1)

忍者石川五右衛門(別冊週刊大衆3/11)

とんずら(別冊週刊大衆6/10)

忍者月影抄(講談倶楽部6−62・3)  作者評価:A

鬼さんこちら(別冊週刊大衆8/26)

外道忍法帖(週刊大衆8/28−62・1/1)  作者評価:B

棺の中の悦楽(女性の記録9−37・1)  作者評価:B

忍者化粧蔵→忍者枝垂七十郎(サンデー毎日特別号11)

忍法忠臣蔵(漫画サンデー11/25−62・4/21)  作者評価:A

わが愛しの妻よ(推理ストーリー12)

 

1962年

夜よりほかに聴くものもなし(時1−7)  作者評価:A

国貞源氏(講談倶楽部4)

この道はいつか来た道→八番目の動機→動機(推理ストーリー4)

八陣忍法帖→信玄忍法帖(講談倶楽部5−12)  作者評価:A

忍法車兵五郎(週刊大衆5/26)

飛ばない風船(推理ストーリー5)

知らない顔(週刊サンケイ9別冊)

極悪人(推理ストーリー10)

忍者向坂甚内(オール読物12)

 

1963年

枯葉塔九郎→忍者枯葉塔九郎(週刊大衆1/5)

風来忍法帖(週刊大衆3/16−12/26)  作者評価:B

太陽黒点(桃源社4)  作者評価:A

忍者梟無左衛門(オール読物4)

忍者帷子万助(週刊読売4/7)

吹雪心中(推理ストーリー5)

ダニ図鑑(漫画ストーリー5)

殿様(ミステリー6)

一、二、三!(小説現代7)

忍者野晒銀四郎(週刊サンケイ9/9)

天下分目忍法帖→忍者撫子甚五郎(推理ストーリー10)

忍者傀儡歓兵衛(日本11)

尼寺五十万石→柳生忍法帖(地方紙連載)  作者評価:A

 

1964年

環(推理ストーリー1)

甲子夜話の忍者(オール読物3)

伊賀忍法帖(漫画サンデー4/1−8/26)  作者評価:A

忍法八犬伝(アサヒ芸能5/3−11/29)  作者評価:B

忍法相伝73(週刊現代5/14−65・3/25)  作者評価:P

忍者服部半蔵(オール読物6)

さざなみ忍法帖→忍法しだれ桜(オール読物6)

忍者鶉留五郎(漫画読本8)

忍法肉太鼓(小説現代9)

自来也忍法帖(漫画サンデー9/16−40・3/17)  作者評価:C

忍法花盗人(別冊小説新潮10)

忍法おだまき(オール読物10)

おぼろ忍法帖→魔界転生(大阪新聞他12/18−66・2/24)  作者評価:A

魔天忍法帖(アサヒ芸能12/27−65・6/27)  作者評価:C

 

1965年

忍法鞘飛脚(オール読物2)

忍法破倭兵状(オール読物5)

三剣鬼(小説現代5)

くノ一捧持して行く→捧げつつ試合(オール読物8)

ただいま十六歳、由井正雪→叛心十六歳(文芸朝日8)

妖説太閤記(週刊大衆10/28−66・12/29)  作者評価:A

この時期の山田風太郎

 まず61・62年に書かれた『忍者月影抄』『忍法忠臣蔵』といった忍法帖の傑作が、63年から64年にかけての「忍法全集」の刊行による忍法帖ブームを準備した、という形でしょうか。「忍法全集」の売り上げの累計は250万部とも350万部ともいいます。全15冊の内容は、@甲賀忍法帖、A江戸忍法帖、B飛騨忍法帖、Cくノ一忍法帖、D外道忍法帖、E忍者月影抄、F忍法忠臣蔵、G信玄忍法帖、H・I風来忍法帖、J〜L柳生忍法帖、Mかげろう忍法帖(短編集)、N野ざらし忍法帖(短編集)ということです。
 しかしこの時期の代表作は、何を措いても『魔界転生』と『妖説太閤記』の二作でしょう。この二作がほぼ同時進行で書かれていたという事実には唖然とするばかり。時に山田風太郎は42歳から44歳。氏が「作家は四十代が一番良い仕事のできる時期」と言うのもむべなるかな。もっとも、そのわりを食った作品も当然あるわけで、『魔天忍法帖』などは完全に前二作にエネルギーを吸い取られた格好になってしまいました。

 

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