1971-75年


1971年

武蔵野水滸伝(週刊読売1/1−12/24)  作者評価:C

お庭番地球を回る(オール読物1)

くノ一紅騎兵(小説宝石1)

くノ一地獄変(小説現代1)

忍者六道銭(小説サンデー毎日2)

戦中派不戦日記(番町書房2)

からすがね検校(オール読物3)

踏絵の魔王→踏絵の軍師(小説宝石4)

天明の判官(小説現代5)

剣鬼喇嘛仏(オール読物5)

慶長大食漢(小説サンデー毎日6)

死なない剣豪(小説現代7)

妖剣林田佐文(オール読物7)

大いなる伊賀者(問題小説8)

姦臣今川状(オール読物8)

南無殺生三万人(小説宝石8)

売色奴刑(オール読物9)

筒なし呆兵衛(小説新潮9)

女郎屋戦争→忍法女郎屋戦争(オール読物11)

羅妖の秀康(小説現代12)

嗚呼益羅男(小説現代12)

こりゃ変羅(小説現代12)

甲賀南蛮寺領(小説サンデー毎日12増刊)

 

1972年

紅閨参上→紅閨の神方医(週刊小説2/18)

春夢兵(オール読物3)

獣人の獄(週刊小説5/19)

乞食八万騎→非人八万騎(オール読物7)

伊賀の散歩者(小説現代7)

切腹禁止令(小説サンデー毎日8)

斬奸状は馬車に乗って(週刊小説8/18)

首の座(オール読物9)

大谷刑部は幕末に死ぬ(小説現代10)

笊の目万兵衛門外へ(問題小説10)

伊賀の聴恋器(オール読物11)

東京南町奉行(小説現代12)

長脇差枯野抄(小説宝石12)

 

1973年

盗作忠臣蔵(週刊小説1/5)

売色使徒行伝(オール読物1)

おれは不知火(小説現代2)

江戸にいる私(小説サンデー毎日3)

伝馬町から今晩は(小説現代4)

怪異二挺根銃(小説宝石4)

ヤマトフの逃亡(オール読物5)

新選組の道化師(小説現代6)

警視庁草紙(オール読物7−74・12)  作者評価:A

陰萎将軍伝(小説現代8)

滅失への青春→戦中派虫けら日記(大和書房8)

明治暗黒星(小説現代12)

 

1974年

開化の忍者(週刊小説2/1)

侍よさらば→修羅維新牢(小説サンデー毎日4−75・1)  作者評価:C

叛旗兵(週刊サンケイ9/26−75・11/13)

自律神経失調同盟(週刊朝日11増刊)

 

1975年

幻燈辻馬車(週刊新潮1/2−12/25)  作者評価:A

御用侠(日刊ゲンダイ11/1−76・7/25)  作者評価:E


この時期の山田風太郎

 70年代の初めで忍法帖は姿を消し、山田風太郎の視線は幕末へ、さらに明治へと移動して行きます。そして73年から、「明治もの」長編の記念すべき第一作『警視庁草紙』が書かれます。大警視川路利良と「隅の御隠居」駒井相模守の化かし合いのうちに、川路の立てた謀略が明らかになって行くよう仕組まれたこの作品は、随所で意外な人物(しかし無理ではない)同士が出会うという「風太郎明治もの」の基本的手法を確立させると同時に、明治人の得体の知れなさを描くという点でもその後の作品を方向づけるに十分なものでした。
 この時期にはやはり「明治もの」の代表作『幻燈辻馬車』が書かれています。また、『戦中派不戦日記』『戦中派虫けら日記』の二冊の日記が出版されたことも見逃せません。

 

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