1976−80年


1976年

地の果ての獄(オール読物6−77・8)  作者評価:B

魔群の通過(カッパまがじん11−77・8)  作者評価:A

 

1978年

明治断頭台(オール読物6−79・1)  作者評価:A

 

1979年

いろは大王の火葬場(小説現代8)

同日同刻 太平洋戦争開戦の一日と終戦の十五日(立風書房8)

それからのカン臨丸[明治波濤歌](週刊新潮9/13−10/25)  作者評価:A

風眼抄(エッセイ集)(六興出版10)  作者評価:A

巴里に雪のふるごとく[明治波濤歌](週刊新潮11/1−12/27)  作者評価:A

明治化物草紙→ラスプーチンが来た(週刊読売12/2−80・6/15)  作者評価:A

 

1980年

風の中の蝶[明治波濤歌](週刊新潮1/3−4/3)  作者評価:A

築地西洋軒[明治波濤歌](週刊新潮4/10−6/26)  作者評価:A

からゆき草紙[明治波濤歌](週刊新潮7/3-9/25)  作者評価:A

横浜オッペケペ[明治波涛歌](週刊新潮10/2−12/24)  作者評価:A


この時期の山田風太郎

 この時期に書かれた小説はみな「明治もの」と呼びうるものですが、『魔群の通過』だけはそこからはみ出しています。この作は明治維新というものがどのような形で生れたものかを説明するという意味で、「風太郎明治もの」に描かれている、明治という時代の気味の悪さをいくらか明らかにしてくれます。
 この時期の『明治断頭台』および『明治波濤歌』中の「巴里に雪のふるごとく」「築地西洋軒」「からゆき草紙」は、「明治もの」ではあっても同時に推理的な要素を含んだ作品です。また山田風太郎自身による「明治もの」のベストワンは、『明治断頭台』とのこと。
 小説と呼ばれうるかはともかくとして、『同日同刻』は太平洋戦争の最初と最後が立体的に描かれている点で、非常に面白い作品です。

 

作品リスト・見出しに戻る MENUに戻る