「デスのこと大好きぃ!!」
「オレもが好きだぜ・・・」
酔っ払ってテーブルにつっぷしたの肩を、優しく撫でた。
巨蟹宮で始まったふたりだけの飲み会。
そしてお決まりの展開。

「ホントぉ?じゃぁ私とデスは両思いだねぇ・・・!」
「おう!」
両思い。そんな言葉にひとり盛り上がり、同意の返事にさらに気をよくする
たとえ酔っていても、ここまでご機嫌なのは脈アリってことか?



何度ふたりで飲んで、
何度からこんなセリフを聞いて、
強引にでも抱いちまおうかと押し倒しかけて、思いとどまって
苦しい思いして・・・



らしくねぇ・・・・




いつもの遊びの女なら色気垂れ流して、部屋に連れ込んで
何の苦労もなかったけど、
何で相手だとそうはいかねぇんだ?

好きだから?
惚れてるから?
あぁ、認めてやるぜ。ここまでいいと思った女はいねぇ・・・

”だからこそベッドでいい思いさせてやってつながっちまえばこっちのモンだろうが。”
もう1人の俺が頭ん中で叫んでる。
そりゃそういうやり方もあるけどよ、こいつとはそんなトコから始まりたくねぇんだよ。

”何大人の男ぶってんだよ”
あぁ、今更な・・・自分でもわらっちまうぜ・・・!



「どおしたのぉ?デスぅ・・・?」
思惑通りの展開にならないイライラが少し顔にでてしまったか・・・?
「あ?なんでもねぇよ。そんな事より、は俺のことがすきなんだろ?」
グタグタ考えてても何も始まらねぇぜ。
「そぉだよーん。・・・うーー・・・」
よしよし、そのままご機嫌でいてくれよ。
「じゃよぉ・・・」
いつもの展開への道にはいりこまないように、ハンドルをきった。
腰に手をまわして、顔を近づけて・・・。
「俺の女になれよ・・・・」
唇が触れるか触れないかまで耳に近づけて・・・
「やっだぁ!!そういう意味の”好き”じゃないってば。」
おいおい、今の囁きぶち壊しにすんな!
「つれねぇなぁ・・・今更照れんな・・・」
「照れてなんかないけど・・・」
「じゃどういう”好き”なんだよ?」
「男トモダチとして”好き”!」


1番いらない言葉を聴いた瞬間、感情をおさえきれずに押し倒した。
は突然の事に驚きながらも、すぐに動揺を奥に隠した。
何故だかそんな態度が、感に触る。

意地でも”本気”を知らしめたくて、手首を押さえつけた。
「・・・それで?どうするの?」

「聞くな・・・」
ゆっくりと顔を近づける。
わざとゆっくりと。
抵抗するが見たかった。
”本気”が通じるところを見逃したくなかった。

でもには、この状況をどうにかしようという焦りもなければ怯えもしない。
無表情で・・・俺の衝動を受け入れようとしている。

心の中で舌打ちする。

寸前で一瞬躊躇したが、そろりと唇を重ねた。

抵抗してみろよ・・・

一旦離して再びキスをおとして・・・
角度をかえながら、何度も何度も・・・

苦しくないように浮かせていた体
徐々にに体重をあずけてみた

振り向かせたいのに、
こんな事をしているうちに自分がの吸引力に逆らえなくなって、

唇をわって舌を入れる
歯列をなぞり、の舌にからめて
熱をひきだそうと試みた。

けれどもは身をまかせるだけで、
抵抗もしなければ合わせようともしない。

自分の夢中が虚しくなって、唇を離し体を起こした。
やり場のない熱と欲を、髪をかきあげて頭から追い出そうとする。





「好きになれよ・・・・」
もどかしさが吐き出される。

どんなふうにキスすればお前をモノにできんだよ?
どんな言葉で表せば”本気”が通じんだよ?

「ふふふ・・・・だから”好き”だってば・・・」

このオレが手玉にとられてる?!
思わず顔を背けた。

押し倒された体勢のままのは、そんな俺の様子をおかしそうに見上げていた。

めんどくせぇんだよ!!
いくら言葉で言ってみたってわかるわけねぇだろ・・・
抱かれてみろよ・・・
への愛を示してやるから

「デスらしくない・・・」
「おう。悪かったな、ご期待に添えなくて。」
「他の女の人にするみたいに、私の事もくどけばいいんじゃないのぉ?」
「言ってくれるじゃねぇか・・・」


それはどういう意味かわかってて言ってんだろうな、当然。
酔ってるなんて、言い逃れは許さないぜ?


「早く口説いておかないと、他の誰かの女になっちゃうよーーー?」
「安心しろ。それはない・・・」
敵に時間は与えない。

を口説くヤツなんかいるわけねぇだろ?」
他の誰かが手を出す前に、俺がお前を掻っ攫う。
「むぅ・・・なんだよー。そんなに色気ないかなぁ・・・?」
「あーるわけねぇだろ!」
色気だすのなんて、俺の女になってからで十分なんだよ。
「うっ。・・・・・・・ショック」
はワザとらしく、崩れ落ちてみせた。
「まぁ、そう落ち込むな。色気の出し方なら、何でも聞きやがれ!!
相談にのってやるぜ。」
「いいけど。デスこそ、私をモノにする作戦たてなくていいの?」
「うっ。」
「まぁ、そう落ち込まないで。相談にのってあげるから。」
「本人に相談するかってーーーの!!」
「やーねー・・・・人が親切に、」
「いいんだよ。作戦なんか。色気がオレ様の特徴なんだぜ?
普通にしてるだけで、蝶が甘い蜜求めてやってくるんだよ・・・」

「何だよ、その目は?」
うさんくさいモノを見る感じで、じっとりと睨まれた。
「・・・・・はいはい・・・・。」
「くぉーらぁー!!!」
頭にきたふりをして、床にうつ伏せにおしたおした。
「きゃーーー!!」


こら、
覚悟しとけよ?
お前を手に入れる為に、これからはいつもの俺でいくからな。

”助けてぇ”と俺の下から必死で這い出そうとしているの首筋に
キスをおとした。
「・・・っあ!やだ!どさくさにまぎれて変なことしないでよ!!」
「あー?いつものやり方でやれって煽ったのは誰だってんだ!」



”好きじゃない””嫌いじゃない”
そんな態度はもう許さねぇ・・・

もう気づいてないフリはさせない
受け取るだけ受け取っておけよ

このメッセージ・・・!









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