作品・か行



怪異投込寺[ありんす国伝奇

 集英社文庫『怪異投込寺』、富士見書房『ありんす国伝奇』に収録。

怪異二挺根銃

 内容:どんな内容かは題名を見れば一目瞭然。その通り、二挺の男根を持つ忍者が登場するのである。しかもその忍者(恩名捨楽斎[オンナ・シャラクサイ]という。凄い名前はいつものこととは言え、ここまでやりますか)、二本の男根で巧みに左右のバランスを取り、剣を取っては天下無敵の二刀流。さてどうやってその忍者を破るのか…
 発想の奇抜さと馬鹿馬鹿しさから言って、忍法帖の短篇の中でも五本の指に入ろうかというもの。だいたい陰茎が二本あればどうかなんてこと、普通は考えません(^^; 人間の器官の数ならびに男性泌尿器および生殖器についての、もっともらしくも笑える講釈も絶好調。脇役にはお馴染み相馬大作まで登場。文章は多少粗雑でも、とにかくサービス満点。大笑いできる一作です。

 残念ながら、現在は絶版中です。

開化の忍者

怪談厠鬼

怪盗七面相[連作第七回][帰去来殺人事件] 作者評価:C

風の中の蝶[明治波濤歌] 作者評価:A

 『明治波涛歌』中の一篇として、河出書房筑摩書房より出版。

片目の金魚

「甲子夜話」の忍者

 講談社ノベルズ『くノ一紅騎兵』に収録。

かまきり試合

からすがね検校

 河出文庫『伝馬町から今晩は』廣済堂文庫『ヤマトフの逃亡』に収録。

からゆき草紙[明治波濤歌] 作者評価:A

 『明治波涛歌』中の一篇として、河出書房筑摩書房より出版。

ガリヴァー忍法島

姦臣今川状

 廣済堂文庫『剣鬼と遊女』に収録。

完全なる結婚

眼中の悪魔

 ハルキ文庫『厨子家の悪霊』に収録。

姦の忍法帖

 講談社ノベルズ『剣鬼喇嘛仏』に収録。

 



黄色い下宿人

 講談社大衆文学館『奇想小説集』、筑摩書房より出版。

帰去来殺人事件(短篇集) 作者評価:C

 単行本は出版芸術社から出版されています。

畸形国

 出版芸術社『怪談部屋』に収録。

奇蹟屋

 廣済堂文庫『売色使徒行伝』に収録。

狂風図

 集英社文庫『天使の復讐』に収録。

忍譚大谷刑部→刑部忍法陣

虚像淫楽

 ハルキ文庫『厨子家の悪霊』に収録。

霧月党

銀河忍法帖 作者評価:B

 講談社ノベルズで手に入ります。

 



国貞源氏

 廣済堂文庫『死なない剣豪』に収録。

くノ一紅騎兵

 講談社ノベルズ『くノ一紅騎兵』に収録。

くノ一地獄変

くノ一忍法帖 作者評価:A

 河出文庫『おれは不知火』、ハルキ文庫『幻妖桐の葉おとし』に収録。

首の座

 河出文庫『明治忠臣蔵』、また筑摩書房から出版されています。

黒い乳房[妖異金瓶梅11] 作者評価:A

黒檜姉妹

 出版芸術社『怪談部屋』、角川ホラー文庫『跫音』に収録。

黒百合抄

 廣済堂文庫『江戸にいる私』に収録。

軍艦忍法帖 作者評価:C

 



警視庁草紙 作者評価:A

傾城将棋[ありんす国伝奇] 作者評価:C

慶長大食漢

 廣済堂文庫『死なない剣豪』に収録。

外道忍法帖 作者評価:B

 講談社ノベルズとして出版。

剣鬼と遊女[ありんす国伝奇] 作者評価:C

剣鬼喇嘛仏

 講談社ノベルズ『剣鬼喇嘛仏』に収録。

幻燈辻馬車 作者評価:A

 単行本は河出文庫筑摩書房から出版。

幻妖桐の葉おとし

 ハルキ文庫『幻妖桐の葉おとし』に収録。

元禄おさめの方

 廣済堂文庫『剣鬼と遊女』に収録。

 



甲賀南蛮寺領

甲賀忍法帖 作者評価:A

 忍法帖第一作にして、山田風太郎の代表作の一つ。さらに言えば、やはり傑作です。
 この作品が生まれるきっかけについて、山田風太郎は何度も書きまた語ってもいるのですが、くどいのを承知で談話の一つを紹介しましょう。

「〔『妖異金瓶梅』が〕わりあい評判よかったもんだから、今度は日本風に水滸伝を書かないかと言われたんですよね。百八人の豪傑が出てくるんだけども、百八の武術があるわけじゃないんですよ。武術の数は十何種類ぐらいでね。ぼくはこれを百八にしないと気が済まないもんだから、自分で考えたんだけども。(中略)動物には超能力があるんですよ。こういうもん同士を決闘させたらどうだろうというので始めたのが『甲賀忍法帖』なんです」(中野翠との対談:『風来酔夢談』所収)

その結果、このように奇妙な、しかし面白い小説が生まれたということです。初期の奇想小説に見られた、乱歩譲りの(?)畸形のモチーフを背景に持つ忍法の奇抜さについては、今更言うに及ばないでしょう。手足が無いにもかかわらず普通の忍者より速く走る地虫十兵衛、体が自由に膨らむ鵜殿丈助、不死の忍者の薬師寺天膳…と、挙げれば忍者たちの名前全てを挙げねばならなくなります(もっとも、この時点では忍法には名前が無い)。しかもその凄まじい忍者たちが、互いに戦ってバタバタと死んで行く。本当に、ただ戦っては死んで行くのです。この『甲賀忍法帖』という小説は、それなりの設定(徳川家の後継者選び)と物語(弦之介と朧の悲恋物語)を持ってはいるものの、個々の描写の奇抜さおよび無惨とも言える構成が圧倒的な作品なのです。
 山田風太郎自身は忍法帖について、それを生かすのは物語より忍法だと語っています
「忍法帖には結局、忍法そのもののばかばかしい面白さと物語全体の仕組みの面白さとがあるんだけど、忍法がいいならまず読める、駄作でも。それがくだらないと、もうダメです」(『東京人』所収のインタビュー)
 氏によるこの指摘は、私たちが忍法帖を読むにあたっての指標ともなりましょう。山田風太郎の作品は、構成の時点で話が壊れてしまうことはまずないのですから。でもって、この『甲賀忍法帖』については、最初に書いた言葉を芸も無く繰り返すとしましょう。これは傑作です。
 単行本は、
講談社ノベルズ富士見時代小説文庫から出版されています。

紅閨の神方医

 廣済堂文庫『剣鬼と遊女』に収録。

絞首刑第一番

 河出文庫『おれは不知火』、また筑摩書房から出版。

降倭変

 廣済堂文庫『死なない剣豪』に収録。

凍る歓喜仏[妖異金瓶梅12] 作者評価:A

極悪人

 双葉社『極悪人』に収録。

黒衣の聖母

 ハルキ文庫『黒衣の聖母』に収録。

乞食八万騎

 ハルキ文庫『幻妖桐の葉おとし』に収録。

近衛忍法暦

この道はいつか来た道

 双葉社『極悪人』に収録。

この罠に罪ありや

御用侠 作者評価:E

こりゃ変羅

コレデオシマイ(インタビュー)

 角川春樹事務所より出版。

ころび切支丹

「今昔物語集」の忍者

 


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