嘘だ・・・。
絶対にウソだ、ありえないぞ・・・

それは昨日夜までは、ごくごく普通に恋人同士としていちゃいちゃしていた2人に起こった
ありえない展開。
ぜったいに、ありえない。
別れ話?それはまぁ・・・この事態に比べればまだ起こる確率はある。
だけど、なーーんで朝目が覚めて隣に寝ているの寝顔を眺めようとしたらこの展開なんだよっ!
ベッドの中でのいる方に向きをかえた。
誰だってそこに恋人がスヤスヤ寝てるっておもうよなぁ?
しかもここ聖域だぜ。
悪なんなそう簡単には入り込めないはずなのに・・・

「なぁ、。なんでそんな格好してんのか覚えないのか?」
きっとこれがマンガとかなら、額に線入ってたりとか大粒の冷や汗流れてたりすんだろうけど。
自分の手足を見てしばらく絶句した後、俺を見てフルフルと首を振った。
「あるわけないよな・・・もっと自分の姿みたい?」
つぶらな瞳には何の感情も読み取れなかった。
俺動物飼ったことなかったし。
は縦に2,3回頭をふった。
「ふう。待ってろ。鏡の前に連れて行ってやる。」
は、今となってはブカブカでサイズのあわない自分のパジャマの上に
ちょこんとすまして座っていた。
”ちょこんと”まさしくこれがぴったりな表現だ。
の側のベッドの端まで行くと、ゆっくりと手を伸ばす。
優しく持ち上げたつもりだったが、やはりというか、びくっとその体を強張らせた。
おっと、今のにとっては巨人の手だからな・・・注意、注意と・・・。

落とさないようにしっかりと両手で包んで洗面所に連れて行った。
「いいか?」
手の平の中のは無反応に見えたけど、聞こえない声で”大丈夫”とか言っていそうな気がした。
少し間をおいて、俺も覚悟を決めて鏡まで歩く。
ゆっくりとを鏡の近くに差し出すように近づけて・・・・



1分・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「”これが私?”とか思ってる?」
はコクコクと頷いた。
「そうだろうな。俺も”これが?”未だに納得できずにいるからな。」

手の平にすっぽりおさまるコンパクトボディー
ピンとたった耳
つぶらな瞳
おしりについた白いしっぽ
ライトブラウンの毛並み

そうはウサギになっていた。
朝突然・・・




おい、どーするよ・・・
お前がウサギだとかチンチラだとか小動物が大好きなのは知っている

だからって自身がウサギにならなくてもいいだろう?


散々鏡で現状を確認したあと、場所をリビングにうつした。
俺はソファに腰かけ、ウサギと化したはすぐ目の前のテーブルにおいて。
「さて・・・・これから、どうすればいい・・・と思う?」
それはが聞きたい事だな。
しばらくの間無言でむきあう1人と1羽。

今の俺にはやっぱり、の額に縦線と大粒の冷や汗が見えた。












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