はたしてはエロ蟹の餌食になってしまうのだろうか?

しかし神は(女神か?)ちゃんと御覧になっていたようである。


日頃の行いというやつを・・・。



とはいってもドル箱1つのが大逆転したわけではない。

「きゃーーー!!また確変だよーーー!!」
「まかせておけ!」
とシュラ。

「ミロすごーーーい!!」
「勝ってパチンコに連れていってやるぞ!!」
とミロ。

ここにきてミロとシュラが追い上げてきたのである。
は当りを引くたびに2人の間を行き来して喜んだ。
(このふたりのどっちかなら安心だわ!!)
間接的ではあるが自分の勝利を確信する。
褒美なんかどうだっていい。
身の安全が第一だ。


(あれ?)
は気がついた。

(この静けさはなに・・・・?)


あれほど五月蝿かった音がいつの間にか消えている。
かわりに、後方からすさまじいほどの怒りの小宇宙を感じる。
全員があるひとりに注目していた。

後姿だけでも十分伝わってくる。
怒りで全身が震えていることが・・・。


「こんな勝負・・・・なしじゃぁぁぁーーーーーー!!!」
勢いよく立ち上がると、大人気なくも台にむかってスターダストレボリューションを放つ。

「シオン様!あなたでしょうが。最初にいいだしたのは!!」
「余は面白くない。・・・面白うないのじゃぁーーー!!!」
「だからといって、台を破壊することはないでしょう!!」
「シュラよ。お前に言われたくないぞ!!」
アイオリアがシオンの味方をしだした。

「そうだ!!たかがパチンコとはいえ他人の必殺技に運命を託すなど!!
こんなものは勝負ではない!!」

「サガ、貴様・・・シオンが癇癪を起こしたのをいいことに、
他の者の勝利をなかったものにしようという魂胆か?!
未だに悪の心を拭い去れずにいるようだな!!!」
「うるさい、カノン!! お前が英雄になれるのはこの台の中だけのこと!!いい気になるな!!」

「ほざけ!!好きで当り確定の演出に選ばれた訳ではないわ!!
そんな事を根にもっているのか?! バカか貴様は!!」

「カノン、お前にはわからんのだ!!
技を放てど放てど勝利に結びつく気配もないこのストレスが!!
必殺技をもってすれば破壊できない物など我々黄金聖闘士にはなかったはずだ、今までは! 
だが何故、巨大な岩でもなければ、ましてや世界一の硬度をもつ物質でもない、
こんなパチンコ台の、うすっぺらなハズレ図柄が砕けんのだ?!!
おかしいではないか?!
このストレスがお前にわかるか?!」 

「てめぇの気合がたりねぇーんだよ!!こんな事で我を見失うとは、堕落したもんだなぁ、サガ?」
「むぅ・・・手加減せんぞ!デスマスク!!」
身構えるサガの肩に手をかけるカミュ。
「クールになるのだ、サガよ・・・。」

とはいっても場をおさめるつもりではないらしい。
小宇宙を高め、まさしくクールになっているのである。
「ふっ。面白い・・・。美しく決着をつけてみせようではないか。」
「加勢するぞ。サガ。」
構えるアフロディーテとシャカ。
「勝利は目前にせまっているのだ。誰にも邪魔はさせん!!」
ミロは真紅の衝撃を放った。










後日・・・
「では、ムウ。頼みましたよ。」
「かしこましました。女神。」
聖衣の修復ではなく、ショールームの修復を命じられたムウ。

女神が出て行ったのを確認すると、くるりと後ろを振り返る。
「では、みなさん。血液ではなく労働力を提供してもらいましょうか。
血のほうは、もう十分流されたようですから。」






傷だらけの黄金聖闘士たち。
だが、ムウのキレた微笑みの前に誰も逆らう者はいなかった。











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