2005年4月
     
  1. ふるさとがなくなりました(2005/04/08)

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ふるさとがなくなりました


  自治体合併特例法が、去る3月31日で申請期限を迎えた。
  これまでに、3200以上あった市町村が、相次ぐ合併で2500強にまでなっ
 たという。
  2006年3月末までに合併すれば、現行の合併特例法の財政優遇措置が適
 用されるということから、今後もさらに合併は進み、自治体の数は最終的
 に1800強にまで減るという。
  財政難にあえぐ自治体が多いことから、合併で「小さな行政」を目指す
 流れがあるのは致し方ないのかもしれないが、そういった実利的な部分以
 外のところで、首をかしげるどころか、腹立たしさを覚えるようなことも
 少なくはない。
  今回は、世間を騒がせた「あの1件」(今さらな感はあるが)を中心にし
 て、自治体合併を語ってみたいと思う。


  自治体合併で「あの1件」と言えば、誰の記憶にもまだ新しい、


    南  セ  ン  ト  レ  ア


  をおいて他にはないだろう。
  愛知県美浜町と南知多町の合併協議会が、住民からの公募結果を全く無
 視して命名した、世界一恥ずかしい自治体名だ。
  幸いにして、住民投票によって合併そのものが力いっぱい否決されたこ
 とから、この恥辱にまみれた名前はめでたくお蔵入りすることとなったが、
 この名前を最初に聞いたときには、開いた口がふさがらないどころか、顎
 が地球の裏まで落ちるのではないかというほど衝撃を受けた。

  町の主人公は、当然そこに住まう住民であることは言うまでもない。
  (住民がいなければ「町」たりえないのだから)
  しかし、その主人公を無視し、単純に世間の関心を惹きたいだけにしか
 思えないこの名称には呆れた。
  住民からの新市名公募(わずか20日間しか応募期間がなかったため、集
 まったのはたったの329通だけだったとか…)結果1位の「南知多市」を
 切って捨て、「近所の名物」にコバンザメのように貼り付いて何がしかの
 うまい汁を吸おうという下衆な魂胆で「南セントレア市」などと、地元住
 民が誇りのかけらも持てないような名前をつけるその根性が腹立たしい。
  しかも当初は「南遷都麗空」なる名前まで協議会は候補に挙げていたら
 しい。


   セントレア ⇒ 遷都麗空


  … お ま え ら ど こ の 珍 走 だ ボ ケ 。


  合併協議会の議事録を見ても、そこに住民のことを考えた意見があるよ
 うには到底見えない。
  大方、あやかりイベントか何かを実施して(人が来るとは思わんが)、
 そこに発生する利権にしゃぶりつこうとでもいう、そういう程度のさも
 しい考えしか汲み取れない。
  そもそも、このような地名を自らの住所として名乗ったところで、自
 らの故郷だと胸を張れるはずもない。

  住民からも愛着を持たれている古くからの地名に後ろ足で砂をぶっか
 けるようなヴァカ丸出しな自治体名が続々と生まれているのも、今回の
 「平成の大合併」の特色だ。
  自然も人の心も、そして町の名前も「美し国」だったはずの日本は、
 いつからこんな頭の悪い連中ばかりになったのか。


  しかも、今回のネタを書くにあたり、いくつかの資料をあたったとこ
 ろ、特例法で入手できる「特例債」は、福祉事業にはまわせないなどと
 いう話も目にした。
  結局、利権のための合併でしかなく、住民のための合併ではないとい
 うことだろう。

  そもそも、交付金にすがって、財政健全化のための自助努力をしてこ
 なかったくせに、その立て直しを「合併特例債」に頼ろうという時点で
 終わっている。
  結局、自分じゃ何もしたくなくて、国にしっぽ振ってるだけじゃない
 のか。


  どんな人間でも、住んでいる町・生まれた町には、大なり小なり思い
 入れや愛着があるものだ。
  合併で多少は地名が消えてしまうのは致し方ないにしても、
  「こっちの名前にしたら、あっちの住民が疎外感を感じるかも」
  などというもったいつけた理由で、愛着のかけらも持てないような名
 前の町を作り出すような愚行はたいがいにしてもらいたい。


  [参考サイト]
  合併にNO! 「南セントレア市」も完全撤回! 新しい町づくりへ
  びっくりするほどセントレア!幻の「南セントレア市」まとめサイト

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