'01パシフィックGP観戦記(2001/10/05〜07)


その1(1日目=10/5)

その昔、江戸の町人がお伊勢参りをしたように、現代のWGPフリークたちは年に2度「聖地」へ詣でる。春の鈴鹿と、秋のもてぎ。今年は仕事も落ち着き、休みもとれた(というより強引に取得した^^;)ので、予選初日から観戦するコトにした。決勝日だけの観戦となった去年は、往路の高速代をケチってR6〜R294のオール下道ルートを使ったが、山の天気をナメきった薄着で行ったため、道中寒い思いをしてエラいメに遭った。しかも帰路は雨。レインスーツを持って行かなかったため、さらに苦行となってしまった(<自業自得)。
そこで今年は、中を薄着に・外はウインタージャケットで武装し、防寒と雨対策としてレインパンツを用意。メットもフルフェイスにし、自分的には万全と言える体制で臨んだ。

初日午前のフリー走行から観戦するためには、家を朝6時には出たいところ。だが、目覚めた時には既に8時前…。力いっぱい寝坊した模様(爆)。開き直ってコーヒーなどすすりつつ、身支度を整えて9時頃出発と相なった。だが、結果的にはこの寝坊がある意味幸運な結果となった。
いつものように渋滞しっぱなしの環8を経由し、大泉ICから外環道へアクセス。新倉PAを無視して川口JCTから東北道へ入り、一気に蓮田SAまで。ここでちょっと遅めの朝食。カミさんはハンバーガーとコーヒー、俺は濃い〜い汁の肉そば(爆)。
本当は少しゆっくり休みたかったのだが、SA施設が改修工事中のため、あまりゆっくりできる気分ではなかった(駐車スペースも制限されてたし)。それでもしばらくまったりしているうちに、空は雲が若干切れて陽光も漏れてきたので、ここまで防寒のために履いていたレインパンツを脱いで出発。

ところが、やはり山の天気は侮れなかった。利根川を渡った辺りから、雲は再び厚くなり、身体にあたる風も冷たくなる。おかげで、ニーグリップしている足は勝手にわなわな震え出す始末(自爆)。それでも、距離と時間を稼いでおこうというコトでひたすら走って、栃木都賀JCTからは新しく完成した北関東道へ入る。
この北関東道が非常に快適だった。路面がいい上に、部分開通のため利用客が少なく、いかにも「トバして下さい!」ってな感じの道(笑)。調子にノってアクセルを開けまくるが、ぬやわkm/hで走行中にミラーを確認したら、そのはずみでシールドが半開に( ̄□ ̄;)!! 慌ててシールドを閉めるが、今度は風圧でジャケットが身体に張り付き、自動的に首が絞まる(爆)。結局、初の「メーター振り切り」を体験するコトはできなかった(←ってゆーかするな-"-;)。

サーキットに到着した我々の目に入ったのは、電気自転車「ラクーン」の貸し出しステーション。アップダウンの多いもてぎでは、移動に重宝するだろうというコトで、500円を払って借りてみた。
予選は、グランドスタンドの常設席に陣取って、鈴鹿の時と同じようにピットを双眼鏡で観察。まだ初日というコトもあってか、さほど緊張感もまだ高くはなかった。それよりも気になったのは、路面のコンディション。レコードライン上は乾いているものの、まだ多数ウエットパッチが残っていた。どうも、午前中は雨が降っていたらしい。そういえば、北関東道を降りてすぐのR4バイパスも、完全ウエットだったっけ。…どうやら、寝坊したおかげで雨に降られずに済んだらしい。遅起きで3文の得をするとはよもや思わなかった(爆)。

125と500の予選をグランドスタンドで観戦した後、250はもっともマシンを間近で見られる、V字コーナー飛び込みのアウト側へ。S字から一瞬鋭く加速し、ブレーキングとともにマシンを倒し込んでいく様は、やはり迫力モノ。ノれてるライダーとそうでないライダーでは、クリップ付近のラインもかなり違っており、マシン観察という意味でも楽しめた。
また、このV字コーナーは、気を抜いているとフロントが切れ込んでコケたり、あるいは立ち上がりでハイサイドを食らって飛んだり…と、どちらのリスクもあるコーナー。250のセッション中では、ワイルドカードの 小野寺貴行(#91・森のくまさんMIZTEC/ヤマハTZ250)がフロントから転倒、同じくワイルドカードの宮崎敦(#89・Motorex DAYTONA/ヤマハTZ250)がハイサイドで転倒…と、まさに両方のパターンを目撃してしまった。

お世話になったラクーンと 全セッション終了後、せっかくラクーンもあるのだし…というコトで、コース周囲を1周してみるコトに。やはり山の中のコースというコトもあり、激しいアップダウンはあったが、モーターがあるとないとではやはり大違い。それほど疲労するコトもなく、コース周囲を1周できた。もっとも、もっと「ぐいーん」とモーターが押してくれるようなのを想像していたせいか(俺も実はそのように想像していた^^;)、カミさんは
 「ちっとも『ラクーン』じゃないじゃーん(-"-;)」
とボヤいていたが…。

そして、返却期限の17時半が近づいたため、中央エントランス横の貸し出しステーションへラクーンを返却。さて、宿へ向かうか…と思っていた俺らの目にとまったのは、黒のヒョウ柄にペイントされたスクーター(ホンダ・ジョルノ)。「珍しい色だなー」と思いながらしげしげと眺めていると、一人の小柄でやせた男がまたがり、キックでエンジンをかけた。「??セルもついてるはずなのに…」と思ったら!
「あ!!」と俺とカミさんが同時に気づいたその瞬間、彼は威勢良くアクセルを開け、サーキットホテルの方向へ走り去っていった(しかもノーヘルで)。そのジョルノの乗り手こそ、誰あろう125cc元チャンピオン・坂田和人本人だったのだ( ̄□ ̄;)!! 写真を撮るコトも、サインをもらうコトもできず…。一瞬呆然と立ち尽くした後、俺らは2人して「ちきしょー!!」と盛大に地団駄を踏んだのだった(滅)。
しかし、仮にもワールドチャンプ経験者たる者、いくらサーキットの敷地内だからといって、ノーヘルはいかんだろ(爆)。走り去っていくその後ろ姿は、1歩間違えたら…いや、間違えなくても地元のヤンキーだった(激爆)。それ以前に、なぜ駐輪場ではなく、あんなところに駐車していたんだろう…(謎)。

そんなこんな(何が?)で、日没時刻も過ぎたサーキットを後にし、益子駅そばに確保した宿へ戻る。風呂に入った後、疲れのせいか腹12分目までメシをかっ食らい(爆)、22時には泥のように眠りに落ちたのであった。

2日目以降は、(その2)にて。

(1日目の走行距離:約170km)




『キャプテン』突撃記[その3]へ      ふらりハーフスロットルTopへ      '01パシフィックGP観戦記その2へ


i-mak!!トップへ