その2(2日目〜3日目=10/6〜7)
明けて2日目。前日の肌寒さとはうって変わったいい陽気。風も弱く、昼間の観戦中には暑く感じるのではないかと予想されたため、ジャケットの中にはあまり着込まずに出発。GP開催期間中とはいえ、朝早いコトもあり、途中で渋滞にハマるコトはなし。前走車のペースに左右されつつも、50〜80km/h程度の快適なスピードでサーキットを目指す。
途中、ちょっと大きく回り込む左コーナーで、前走車について80km/hほどでアプローチしていったら、プッシュアンダーで対向車線へはらみそうになって「( ̄□ ̄;)!!」ってな感じでかなりビビッたが(爆)、無事にことなきを得た。
ツインリンクもてぎには3ヵ所の入場ゲートがあるが、今回3日間とも利用したのは南ゲート。ここから入って駐車場へと向かう道が、結構いい感じだったりするのだ。ゲートから坂を登りきるところで左に90°曲がるのだが、この部分がまるでフィリップアイランドサーキット(オーストラリア)の第9コーナー(WGPフリークなら解っていただけるはず。第2シケイン手前の上りの左コーナー)に感覚がそっくりなのだ。だいたいゲートから入ると前に他の車がいるコトが殆どなので、いい感じのスピードでクリア…というワケにはいかないが(笑)、登っていく先に見えるモノは広い空ばかりというのは、非常に爽快な気分であった。
そして3日目。この日も気持ちよく晴れたが、前日と比べて若干風があり肌寒い。観戦が終わったらそのまま帰宅するコトもあり、ジャマになる荷物を宿から宅急便で自宅へ向けて放りだし、身軽になっていざサーキットへ出発!
…と思ったら、水温が上がらないうちにチョークレバーを戻してしまったせいで、でかいちは見事にエンスト(爆)。プラグがカブったらしく、いくらセルを回してもむなしく「きゅるきゅるきゅる…」と音がするばかりで、エンジンのかかる気配はなし(=_=;)。しばらく放置して、プラグが乾いた頃を見計らって、センタースタンドでバイクを立ててからリトライ!
「きゅきゅきゅ、…ぶおぉぉん!!」
どうにか再起動させるコトができ、ホッとひと安心。しかし、この騒動のせいで約30分ほど時間をムダにしてしまった(滅)。
この日は決勝日というコトもあり、さすがに駐車場は前日以上の大混雑。係員の誘導に従ってバイクを停め、サーキット内通路を行き交うバイクや車に注意を払いつつ通路を横断し、中央エントランスへと向かう。あまり持って歩く荷物を増やしたくないので、シートザックはバイクにくくりっぱなし。どうせ盗まれやしないでしょ(笑)ってな安易な考えの持ち主であった(爆)。
今回のもてぎでは「エリア指定券」を購入していたため、前日同様に最終コーナー寄りのエリアへ早速突入。90°コーナー突っ込みと大型ビジョンがバランスよく見える席を探して確保。カミさんと交代で食い物を調達し、観戦準備を万端整えた。
各クラスのウォームアップ走行が終了後、ホンダ主催のイベントが始まる。WGPの歴史を飾った往年のヒストリカルGPマシンのデモ走行の後、2002年シーズンからホンダワークスが実戦投入する4サイクルGPマシン・RC211Vが2台、デモ走行を開始した。しかもライダーは、1994年〜1998年にかけて5年連続で500ccチャンプを獲得したマイケル・ドゥーハンと、1983年・1985年500ccチャンプ(うち1985年は250ccクラスとのダブルタイトル獲得!)のフレディ・スペンサーの2人!!もう観衆からはやんやの大歓声。さすがにまだデビュー前のマシンというコトもあり、全開走行とはいかなかったモノの(そもそもライダーが、1人はケガで引退し、1人はとっくに峠を越えきってるのだから全開ランを求めるのがムリか^^;)、往年のチャンプ2人がランデブー走行を繰り広げる様は、やはり胸躍る光景であった。
だが、その一方でがっかりしたのは、スペンサーの見事な太鼓腹(T_T)。フロントがシングルファスナーではなくダブルファスナーになったVANSONのレザースーツも、フレディのふくれた腹を収めるためなんだろうか…と思うと、笑えると同時にひたすらやるせなくなった(滅)。ランデブーというよりは単なるデブ(爆)って感じ。
250cc決勝は、PPの原田がトップをキープし、その背後に原田のチームメイトであるマルコ・メランドリ(#5/MS APRILIA Racing)と加藤が続く展開。そして、原田がちょっと後続を引き離しにかかり始めた6周目。4コーナーの立ち上がりでメランドリがハイサイドを起こして転倒!その真後ろを走っていた加藤はそれを避ける術もなく、巻き込まれて転倒(しかも思いっきりメランドリを轢いてるし^^;)。2台揃ってリタイアとなってしまった。
転倒したあげくに加藤に轢かれて傷んでしまったメランドリも痛かったが、もっと痛かったのは加藤。タイトルに王手をかけるレースになるはずが痛恨のノーポイント。しかも、'96年の日本GPにワイルドカード枠で参戦し、3位表彰台を獲得して以来、これまでWGPでは全戦ポイントを獲得してきた。つまり、加藤にとってこれがWGPキャリアで初のリタイア。しかもそれが地元日本でのレース。観客全員から落胆のため息が漏れたが(実際、こんな形での歴史の証人にはなりたくなかったが)、当の加藤はため息どころの心境ではなかっただろう。
レースは、その順位を脅かされる心配の全くなくなった原田が余裕のポールtoフィニッシュ。加藤とのポイント差を24ポイントに戻し、こちらもタイトル獲得に望みをつないだ。2位争いは、シーズン後半になって調子を上げてきた加藤のチームメイト、エミリオ・アルツァモラ(#7)が最終ラップの3コーナーでジェレミー・マクウィリアムズ(#99/MS APRILIA Racing)をかわして2位をゲットした。加藤の転倒した穴を埋めるような活躍に、チームスタッフはピットウォールから身を乗り出して喜びを表していた。
500ccは、予選2位のマッシミリアーノ・ビアッジ(#3/Marlboro YAMAHA Team)がトップをキープし、その背後から様子を伺うように、ランキングトップのバレンティーノ・ロッシ(#46/Nastro Azzurro HONDA)がペースを守ってついていく展開。
しかし、「傲慢な割にノミの心臓(笑)」と言われるビアッジ。6周目のビクトリーコーナーでフロントから切れ込んで一気に転倒!その身体はグリーンゾーンを仰向けになって滑っていく。そのさらに先では、ゴロゴロと何回転もしたマシンが、フロントタイヤのグリップによって宙高く舞い上がり、…そして地面に再墜落。クシャクシャになったYZR500とともに、ビアッジのタイトル獲得の可能性も砕けてしまった。
レースはこれで難なくトップに立ったロッシがゆうゆう逃げ切って優勝。残り3戦でビアッジとのポイント差を68ポイントとし、事実上タイトルを手中にした。PPから今季初勝利を狙ったカピロッシは3位に終わり、またしても優勝を逃してしまった。
結局、どのクラスもトップが逃げをうち、後方では激しい番手争い…という展開。そのせいか、今ひとつ盛り上がりに欠けたような気もする(もちろん、レースそのモノは確かに楽しかったのだが)。
帰りは、少しでも渋滞を避けたかったため、500ccのクールダウンラップ終了と同時にサーキットを後にする。だが、やはり田舎の一本道。それでもサーキットのゲートを出るところから既に渋滞は始まっていた(滅)。しかも道幅が決して広いとはいえないから、スリ抜けも相当なリスクを伴う。諦めて、クルマの流れにのるコトにしたが、せっかちなバイクが後ろからガオガオと車間距離を詰めてアオってくる。
「混んでんだからしょーがねーだろボケ!アオってくんじゃねぇ!!」
そう思いながら、どうにか渋滞を抜けたのは長らく走ってR4バイパスに入ってから。それでも、快適だったのはつかの間で、北関東道から東北道に合流したらまた渋滞。佐野SAで夕食がてらしばらく休憩を取り、陽がすっかり落ちてから出発。さすがにここではスリ抜けもしたが(もちろん充分に前後に注意を払い、マージンを多くとったが)、やはり上りはそれほど流れるワケでもなく、ストレスも疲れも蓄積する。
外環道の新倉PAでもう1度休憩し、環8の渋滞に備えて鋭気を養って(笑)からいざラストスパート。家に着いたのは、もう22時近くだった。
ウチは、2台の排気量の差が大きいため、2台揃ってツーリングというコトがあまりない。だいたい、このもてぎ観戦くらいである。…でも、それがやはり楽しい。今回は幸いにして雨に見舞われなかったコトもあり、いい気分で旅を楽しめた。
2002年も、バイクで行けるといいな(^^)。
(2日目の走行距離:約70km、3日目の走行距離:約170km)