「この世の果て」の楽園・セイシェル旅行記(2001/12/26〜2002/01/03)


その1(12/26〜27・事前準備〜セイシェル到着)

   ♪いつかセイシェルの夕陽を見よう
    ふたりで写真も いっぱい撮ろうね♪
                   〜「Anniversary」〜

…という岡本真夜の歌声にすっかり洗脳されて(爆)、「いつかセイシェルに行ってやる!」と、何年か前から強く思うようになってきた。
そして、その思いを現実にしようと考えるようになったのは、10月のパシフィックGP(もてぎ)が終わったあたり。転職してマトモな給料ももらえるようになった・貯金も人並みに貯まった・まだ子供もいないから今なら自由に動ける…
 「よし!行くなら今しかない!!」
と決意し、手配を始めた。
しかし、大手旅行代理店ではツアーなど組まれていない(モルディブやタヒチはツアーもあるのに)。結局、「現地に日本人係員がいるのはウチだけ!」を謳い文句にしている、セイシェルツアーのパイオニア・グロリアツーリストのWebサイトにアクセスし、情報を収集するコトから始めねばならなかった。そして、資料を請求したのは、出発予定日まで1ヶ月を切ってから(爆)。しかも、俺はパスポートすら持っていない(核爆)。慌てて写真を撮り、都庁までパスポートを申請しに行き、その帰りには『地球の歩き方』など買ってみたり(^^;)…と、準備はドタバタしたモノとなった。

セイシェルはだいたいこの辺です。この地図、陸の色が薄いので見る際には画面の角度を調整して下さい(爆) そもそも、まずセイシェルはどんなところか、どんな島とかがあるのかもよく知らなかったので、グロリアツーリストに資料を請求した。届いた資料と『地球の歩き方』を見ていると、…俺の目はある島にクギ付けになった。
その島はバード島。周囲わずか6kmの小さな島で、滑走路1本と、ホテルが1軒あるだけ。しかも、4〜10月になると、島の北部のコロニーには100万羽を超えるセグロアジサシが飛来するという(それが島の名の由来らしい)。「何もしない」をコンセプトにセイシェルに行こうと思っていた俺の心に、まさにジャストミート。かくて、バード島を組み込んだ8泊9日のプランに(というより、飛行機が週1便なので日程は強制的に決まってしまう…)決定したのだった。
しかし、ここでもうひとつ問題が。…そう、海外旅行に1度も行ったコトのない俺は、スーツケースを持っていなかったのだ。慌ててカミさんの友人に話をつけ、どうにかスーツケースを借りるコトができた。

そして、12月26日。過去に見送りで1回しか来たコトのない成田空港に、今は自分が旅行者として立っていると思うと、何だか奇妙なドキドキをなかなか隠せなかった(笑)。
今回は、シンガポールまでJALで飛び、そこでAir Seychellesに乗り換えて現地へ向かう。ヨーロッパ方面とセイシェルの間は比較的便数もあるが(ロンドン便が週4便・パリ便が週3便)、シンガポール便は、現地を水曜深夜に離陸する週1便のみ( ̄□ ̄;)!! そのせいで、先述の通り日程は強制的に決まったのであった。
チェックイン後、ドラッグストアでサンオイルとミネラルウォーターを購入。コーヒーを飲んで時間をつぶし、のんびりと免税店でタバコを買っていると、…我々2人を呼び出すアナウンスが(爆)。時計を見れば、離陸予定時刻まであと10分!息せき切って搭乗ゲートへ駆けこみ、11時40分。ようやく機上の人となった。
6時間のフライトの後、シンガポール・チャンギ空港に到着。Air Seychellesの離陸までさらに6時間もの間待つコトから(爆)、予めグロリアツーリストに頼んで手配していたトランジットホテル(乗り継ぎ客専用のホテル。シンガポールらしく、室内は禁煙!)にもぐり込み、仮眠をきめ込むコトにした…が、エコノミークラスの狭い座席に長時間押し込められていた割には眠れない。なワケで、広いチャンギ空港をちょっと探検してみるコトにした。
まず行ってみたのは、インターネットスペース(^^;)。通じているのかどうかも怪しいたどたどしい英語で(爆)、日本語対応の端末を用意してもらい、自分のサイトをのぞく。しかし、半日少々前にカキコしたばかりでは他の人からのレスポンスもあろうはずがなかった(そりゃそうだ、日本時間はまだ17時)。受付の人に1000円札を差し出し、9ドル50セントのお釣りをもらって、他の場所を散策。使うアテのないシンガポールドルをどうにかして処理すべく、スナックコーナーでクロワッサンとオレンジジュースとミネラルウォーターを 購入(実は成田で買ったミネラルウォーターを、JALの機内に置き忘れてきてしまった…T∇T)。3品で7ドル50セント也。
すると、レジのお兄ちゃんが、俺の被っている帽子を指差しながら、何やら話しかけてくる。よくよく聞いてみると、アプリリアのバイクに乗っているらしい。
この時、俺が被っていたのは“Chesterfield APRILIA”のキャップ。「それでかァ」と思いつつ、しばしバイクの話をして盛り上がった(ってゆーほど流暢には話せてないけど^^;)。
部屋に戻ってしばし仮眠をとり、今度は成田の時と違って余裕をもって(笑)チェックイン。0時35分発のセイシェル・マヘ島行きに乗り込む…が、予定離陸時刻を過ぎても動く気配なし。「?」と思っていると、おそろいの白と緑のペラペラのジャンパーを着たアジア系の女性の一団がどかどかと乗り込んできた。そのジャンパーには『××兄弟職業紹介公司』とかプリントしてある。どう見てもリゾートしに行くようには見えないその団体ご一行様を不思議に思いつつ、Air Seychellesのボーイング767は予定より50分遅れでシンガポールを離陸した。

当初、到着がどのくらい遅れるのか心配していたが、マヘ島到着時の遅れはわずか15分。「まァ、このくらいだったらいいか」と思いつつ、まだ真っ暗(そりゃ当たり前。何しろ到着時刻は3時40分( ̄□ ̄;)!!)なマヘ島国際空港へ降り立つ。これが国際空港か?と言いたくなるようなこじんまりした空港の滑走路に降り立ったその瞬間、むせ返るような熱帯の空気に包まれ、思わず「うわ!蒸し暑っ!」と 口走ってしまった(笑)。
空港に着いてからイミグレーションカードを記入したため、入国審査を受けるまでに時間がかかってしまったが、どうにか無事入国を果たす。外へ出ると、グロリアツーリストの現地係員・セツ子さんが出迎えてくれた。セツ子さんも到着が遅れたコトで「?」と思っていたらしく、事情を説明すると、どうやらシンガポールで遅れて乗り込んできた団体は、マヘ島の缶詰工場にこの年末年始の間に出稼ぎにきたらしい。どうもバンコクからの飛行機が遅れたために、その乗り継ぎ待ちでシンガポール発が遅れた模様。そーいや、みんなして手に手にタイのパスポート持ってたなーと思い出した。
ちなみに、イミグレーションカードを書いている最中、突然中国人に早口で話しかけられた。俺が「???」となっていると、イミグレーションカードの国籍記入欄を指さして何事かを喋っている。どうやら俺のコトを中国人だと思ったらしい。俺が「違う。俺は日本人だ」と言うと、さもいまいましそうな表情をしながら、「ちっ!」と舌打ちして去っていった…。
 「何が『ちっ!』だ!勝手に間違えたそっちが悪いんじゃねーかボケ!」
と思ったが、カード記入がまだ途中だったため、実はそれどころではなかったのであった(爆)。

そんなこんなの後、現地で我々の世話をしてくれるエージェント『MASON'S Travel』の送迎バスに乗り込み、翌朝の出発までの休憩先となるホテル「Le Meridien Barbarons」に向かう。途中、島中央部の小高い山を越えて行くのだが、これがかなりのワインディング(-_-;)。400ccクラスのレプリカで走ったら楽しそう…とは思ったが、途中には結構タイトなヘアピンも多数。さらに高低差も思ったよりあり、コーナーのたびに身体には強力なアンデュレーションを感じる。車線幅も狭い。
にもかかわらず、真夜中で対向車が来る心配がないのをいいコト(?)に、バスはかなりのペースでトバす。カミさんは疲れからうとうとしていたが、俺は続けざまに迫るコーナーと、バスの意外なスピードに、眠るどころの騒ぎではなかった(爆)。

夜明け〜メリディアン・バーバロン前のビーチにて 30分ほど走って、ホテルに到着した頃にはもう5時半近く。MASON'Sの人が迎えに来るのが8時45分。朝食を食べるコトを考えたら、仮眠をとる時間すらない(T∇T)。しょうがないのでシャワーだけ浴びて、後は朝食の時間までだらだらするコトにした。
くたびれた身体に熱めのシャワーで喝を入れ、部屋のカーテンを開けると、…目の前にはインド洋!! 早速カミさんと2人でそれぞれカメラを手に(今回の旅は、カミさんが普通の銀塩カメラ担当・俺がデジカメ担当という形になっていた…)夜明けのビーチへ出た。穏やかな波が打ち寄せる真っ白な砂浜の向こうには、どこまでも果てしなく続く水平線。
 「あぁ、『日本じゃない国』に来たんだなァ」
という実感を、改めて強く感じたのであった。
ひとしきり身体を休めた後、朝食をとるべくカフェへ向かう。いわゆるビュッフェ形式のセルフ式。トースト・クロワッサン・ハム・チーズ…等を好きなだけ取ってくる。コーヒーはウエイトレスが運んできてくれるコトもあり、すっかり気分だけは優雅(笑)。南国らしくテーブルに寄ってくるハエももう気にならない(核爆)。
だが、コーヒーはちょっと粉っぽくてあまりうまくない(滅)。セイシェルはコーヒーより紅茶の方がおいしいと、グロリアツーリストのパンフにも書いてあったが、どうもその通りだったらしい。さらに、調子にのって追加で皿に盛ってきたベーコンが異常にしょっぱくて「(+д+)マズー」だった…。その後しばらく胃がもたれてしまい、若干往生した。

8時40分。すでに車寄せに横付けされていたMASON'Sのバスに乗り込み、空港へと向かう。この旅最大のお楽しみ・バード島に向かうために。

バード島での悠久の時間はその2にて。




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