Maxi-Twist/マキシ・ツイスト |
書籍『カードマジック事典』収録(高木重朗編/東京堂出版)1983 |
Roger Smith/ロジャー・スミス |
演者はデックから4枚のエースを抜き出し、表向きにして手から手に数え取って示します。残りのデックは使わないので脇に置きます。 表向きの4枚のパケットにマジカルジェスチャーをかけ、再び手から手に数え取ると1枚のエースが裏向きになっていることがわかります。同様に、数えるたびに2枚、3枚と裏返り、最後には4枚すべてが裏向きになってしまいます。 さらに数えると今度は1枚のエースが表向きになります。表向きになったスペードのエースをテーブルに置き、残りの3枚を示すと、スペードの2、3、4に変化しています。 |
「Twisting the Aces(Dai Vernon)」が世に出て以来、その手順に何らかのクライマックスを加え、さらに効果をあげることを狙った作品が多く発表されました。この「Maxi-Twist」は、シンプルな「Twisting the Aces」の手順の最後にカードの変化現象を加えた、代表的な改案のひとつに数えられる作品です。 しかし「Twisting the Aces」において多くの演者が感じたであろうハンドリングの不統一は「Maxi-Twist」においても解消されておらず、さらに「The Exploding Aces(Randy Wakeman)」のような改案を生みました。たしかにカウントの方法に極力一貫性を持たせようとした狙いは見えるのですが、こちらは最初のATFUS Moveに負担がかかり、その部分が非常に不自然なハンドリングになってしまっています。改良と呼べるか否かは微妙なところです。 「Royal Twist(Larry Jennings)」は、エキストラカードの使用を疑う客の心理を逆手に取ったマニアックな作品。4枚の10で「Twisting the Aces」の現象を行い、最後に「本当は5枚のカードを使っているのだ」と言ってカードを示すと、ロイヤルストレートフラッシュになっているという手順です。 さらに、「Twisting the Aces」をほかのプロットと組み合わせることで、高い効果を狙った作品も多数発表されています。例えば「New Twisted Collectors(Paul Harris)」はタイトルどおり、Collectorsプロットとの融合を図った作品。 さて、演者側から見た場合、「Twisting the Aces」「Maxi-Twist」の魅力は、一切のフェイクカードを用いない、その公正さにあるとも考えることができます。しかし現象により変化を持たせるため、「Twisting the Aces」のプロットにフェイクカードを導入するという発想は、必然的に生まれたと考えてよいでしょう。 |
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(参考) |
◆ Book ◆ Lecture Note ◆ Product |