「この世の果て」の楽園・セイシェル旅行記(2001/12/26〜2002/01/03)


その3(12/29〜30・プララン島滞在その1)

バード島をあとにした飛行機は、12時20分にマヘ島に帰還。本来なら、12時45分の飛行機に乗り換えるはずだったのだが、バード島発の飛行機の離陸が若干遅れたコトもあり、結局13時30分発の飛行機でプララン島へ向かうコトとなった。飛行機は、バード島行きの時と同じプロペラ機(笑)。
プララン島は、セイシェル第2の規模の島。飛行機も頻繁にマヘ島との間を往復している。ほんの15分ほどのフライトで、あっさりとプララン島のエアポートに到着。2001年5月にリニューアルしたばかりのターミナル建屋は、マヘ島の空港のターミナルよりもキレイで豪華(^^;)。効きすぎなほどの空調に肌寒さすら感じながら、ターミナル前で待っているMASON'Sのバスに乗り込む。
プララン島の飛行場は、島の西端にある。そこから南岸を回る道路で、走ること10分程度。プララン島での宿泊先である「Indian Ocean Lodge」に到着。部屋に荷物を置いて、早速ホテル前のビーチを散策。やはり島周囲の海流の影響もあるのか、南に向いたビーチは穏やかに凪いでいる。そして砂浜は、非常にキメの細かいパウダーサンド。サンダルと足の間に砂が入り込んでもジャリジャリした感覚にならずに済むのはありがたい。穏やかすぎて泳ぐにはあまり向かないビーチだが、泳ぎたい人にはホテルのプールがある(笑)。実際、プールでは元気な子供がバチャバチャと音を立てて泳いでいた。
で、ビックリしたのは、ホテルの目の前(=衆人監視)にもかかわらず、ここでもトップレスのオネーチャンがいたというコト。しかも3人も(爆)。バード島みたいな、いわば「秘境」ならいざ知らず、こんなメジャーな島でもそーいう人がいるというコトにビックリした。
そう言えば、カミさんの友人からスーツケースを借りた時に、スーツケースと一緒に『CREA Traveller』という雑誌をもらった。ちょうどビーチリゾート特集が組まれており、巻末のコラムでセイシェルのコトに触れているらしい。で、読んでみると…

 「…かつて、大統領の別荘で『さよならエマニエル夫人』のロケが行われたこともあり、
  ヨーロッパのご婦人方は、みんな『エマニエルしなきゃ』の意気込みでやってくる。
  ビーチは年齢体重無制限1本勝負のトップレスの花盛り(後略)」

と書いてあったのを思い出した。「あのコラムは嘘じゃなかったんだ…」と、ある種複雑な気分(笑)になった。

インディアン・オーシャン・ロッジ前のビーチ プララン島初日は時間もそれほど余裕がなかったため、ビーチの散策後は夕食をとってお休み。翌日は、セイシェルのビーチの中でも有数の名所とされる、ラ・ディーグ島の Ance Source d'Argent へ向かうコトにした。
この海岸、大きい花崗岩がゴロゴロとしており、さながら衝立のような状態になっているらしい。プライベートビーチ気分でノンビリした時間を過ごせるとか。そのためか、花崗岩は地元の人々からも「恋人岩」と呼ばれているらしい。そんなに「名所」として謳われているところなら、1度は見ておこうかと思ったのだ。

ラ・ディーグ島は空港がないため、島へ渡る手段はプララン島から出ているフェリーを使うしかない。フェリー乗り場は島の東端にあるため、ホテルの受付でタクシーを手配してもらい、フェリー乗り場へと向かう。
余談だが、当初プララン島での移動はレンタカーを使おうかと思っていた。そこで、グロリアツーリストに国際免許が必要かどうかを尋ねると「日本国内の免許でいい」とのコト。「…海外なのにどうしてだろう?」と思っていたが、到着日にバスに乗った時にその謎は解けたのだった。
セイシェルは、かつてイギリス領。イギリスでは、クルマは日本と同様に左側通行。そのせいで、国際免許不要だったのだ。そういう意味では運転も楽だが、日本のように道路は広くないし、山間部などではかなりキツいコーナーもある。舗装の質も決してよろしくはない。それに、全く知らない道でもあり、ブラインドコーナー等ではかなりのリスクを伴う。おまけに、地元のクルマは狭い道路にもかかわらずかなりトバしている。実際、この日および翌日に乗車したタクシーの運転手も結構トバしていた(爆)。考えた末、レンタカーをドライブするのはやめるコトにしたのだった。

『エマニエル』ロケ現場(笑)。大統領別荘 フェリーに揺られるコト約30分。ラ・ディーグ島に到着。島を巡る手段としては、オックスカート(いわゆる牛車。もちろんの〜んびり^^;)か、レンタサイクルがある。自分たちは、船着き場にもっとも近いところで営業していたレンタサイクルで、自転車をゲット。50ルピー/日という値段だったが、後でよく考えると、ガイドブックに書かれていた相場より若干高い。しかも、俺の借りたチャリに至っては、乗ってるうちにフロントアクスルがガタガタになり、ホイールが振れ出す始末(滅)。「ボッタクられた…」という印象を持たざるを得なかったのであった(T∇T)。

アーモンド型をしたラ・ディーグ島の西岸にあるフェリー乗り場から、自転車で南へ少し走ると、ほどなく L'Union Estate の入口にたどり着いた。ここはかつてのココナツ農園の跡地であり、現在は大きな公園となっている(入場料10ルピー)。そして、その敷地内に大統領の別荘があるのだ。
 「…ふーん、ここでロケやったんだーぁ…」
と、よくわからない感慨にひたってみたりする(笑)。プララン島のフェリー乗り場で買ったサンドイッチを頬ばりながらひと休みしていると、猫が1匹寄ってきた。パンの切れ端をやったりしながら、暑さも手伝ってすっかり休憩モードになる。
しかし、いつまで休んでてもビーチが寄ってきてくれるワケではないので(爆)、改めてチャリで目的地である Ance Source d'Argent を目指す。だが、…道に迷った(核爆)。悪路をさんざん走り回ったあげく、大統領別荘のすぐ近くにチャリを停めて、徒歩で Ance Source d'Argent へ向かうコトにした。
道が判らなくなっているため、浜辺をたどりながら目的地へ向かうという原始的な手段をとる(爆)。ところどころ歩きにくいところもあったが、どうにか無事に到着。日曜日というコトもあってか(っつーか年末だから関係なし?^^;)、比較的家族連れが多かった気がする。ちょうど干潮の時間帯にあたってしまい、汀が結構先へ離れてしまっていたが、波も全くといっていいほど立たない状態で泳ぐには適していなかったため、ビーチで甲羅干しを決め込んだ。

しばらくボーッとした後、せっかくだから島の他のところにも行ってみようというコトになり、 Ance Source d'Argent を後にする。帰りは正規のルート(笑)を通ったのだが、そしたらチャリ置き場を発見。「ここまで来れてれば楽だったんだよなー(T∇T)」と思ったが、もちろん後の祭り(泣)。てくてく歩いて、チャリを置いてあった大統領別荘まで戻ると、今度は島の南東にあるビーチ・Grand Ance へ向かうコトにした(ちなみに、同じ名前のビーチはセイシェルの各島にある。同じ名前でも、ビーチの風景はそれぞれの島で結構違う)。
ところが、これが島の中央部の山道を越えていかねばならない場所にある。前輪のグラグラしたボロチャリで、アップダウンのキツい道をぜーぜー言いながら(爆)、30分弱は走っただろうか。白く波の砕けるきれいなビーチが目の前に現れた。
この海岸、波が比較的高いコトもあり、本来は遊泳禁止となっている。が、お構いなしに海に入っている人間多数(笑)。俺もちょいと泳いでみるコトにした…のだが、波の勢いは想像以上。「ばっしゃぁ〜〜〜〜ん!」とかぶった波の勢いのせいで、海パンが脱げそうに(汗)。折悪しく雨まで降ってきたため、早々にTシャツを着込んで撤収するコトとした。

雨上がりの空に橋をかけよう 来た道をまたもひーひー言いながら(爆)戻る。幸い途中で雨も止み、また太陽が顔を出した。西岸の平地へ出てからふと振り向くと、そこには大きな虹!思わず疲れも忘れ、立ち止まってしばし見ほれた。
だが、太陽が出たというコトは、当然「暑くなる」というコト。しかも、さんざんチャリをこぎまくった身体は汗だくで、喉は水分を求めてヒリヒリと灼ける。が、行きに買ったミネラルウォーターはすでに底をついた(=_=;)。おまけにこの日は(先述の通り)日曜日。ほとんどの店はシャッターを下ろしてお休み。でも、何か飲まねば死んでしまう(←大げさ)。
しかし、捨てる神あれば何とやら。フェリー乗り場の近くに1軒だけ営業しているカフェがある。矢も盾もたまらず飛び込み、セイシェルで最もメジャーな清涼飲料である『Bitter Lemon』をオーダーした。
この『Bitter Lemon』、俺がセイシェルですっかりハマった飲み物。写真で見るとあまり(゚д゚)ウマーな色には見えないが(光線の加減とカメラマンの腕のヘボさというコトでカンベンして下さい)、実際はほのかな炭酸加減と、しつこくない甘さがいい感じ(^_^)。レストランでのディナーでも、あまりアルコールの得意でない俺は好んでこの『Bitter Lemon』を頼んでいた。どこかの商社が代理店になって、日本でも販売してくれないかと真剣に思っている。

『Bitter Lemon』。微炭酸でおいしいよ♪ 『Bitter Lemon』を2本飲み干し(爆)、元気回復したところで、帰りのフェリーまで時間があるコトから、島の北へ向かってちょっと寄り道してみる。
フェリー乗り場から北へ向かう道路は、ちょうど地元でももっとも人の多く集まるところ。先述の通りこの日は多くの商店が休みだったが、普段であればいくつもの店に人が出入りし、もっとにぎわっているのだろうというコトは容易に想像できた。数少ないオープンしている店舗の前では、地元の若者が集まって騒いでいる。日常的生活感のあふれる風景を見て、リゾートであれどもそこにはやはり人々の暮らしがあるのだと実感したのであった。
しばらく走っていると、反対側からクルマがやってきた。ちょっと古い(笑)ダットサントラックには、なぜか荷台に10人以上の人間が乗っている(乗合バスの代わり?)。しかも、なぜだかやたらと楽しそうに盛りあがっている(笑)。すれ違いざまに何人かがこちらへ向かって手を振った。俺もつい楽しくなって、彼らに手を振り返したのだった。
あまり奥まで行ってしまうと最終のフェリーに乗れなくなるので、適当なところで自転車を停めて、左側に広がる海を眺める。ちょうど西へと向かって太陽も傾く時間。南国のやわらかな風に揺れる木々の間から見える海面は、その傾く太陽を反射させてキラキラと輝いていた。

戻る途中の道で、また猫にちょっかいを出したりしながら(^^;)、フェリー乗り場へ戻る。17時30分発の最終フェリーに乗船し、沈みゆく太陽へ向かうようにしてプララン島へと帰着。…桟橋へ降りると、コンクリートがしっとりと濡れていた。こちらではスコールが降っていたらしい。
ちなみにセイシェルでは、ホテルからタクシーをチャーターしてどこかへ行く場合、運賃はホテルへ帰り付いてから往復分を払うコトを運転手に伝えておく必要がある。往路だけで運賃を払ってしまうと、帰りは迎えになど来てくれないからだ(爆)。日本と違ってタクシーも簡単につかまえられるワケではないので、これは重要である(海外ではどこも似たようなモノなのだろうか?)。
往路でお世話になったタクシーに再び乗り込み、ホテルへと帰着。シャワーを浴び、ディナーをとると、やはり疲れがたまっていたのか、あっさりと眠りにおちてしまった(ってゆーかこの旅じゃずっとそんな感じだったかも^^;)。
個人的には、泳ぐのにあまり向いていない Ance Source d'Argent より、多少波は高くても泳ぐコトもできる Grand Ance の方が印象がよかった。次にこのラ・ディーグ島へ来る機会でもあったら、今度は Grand Ance でのんびりしたいと思った。

プララン島3日目以降の話はその4にて。




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