作品・さ行



最後の晩餐

 角川ホラー文庫『跫音』に収録。

西条家の通り魔[帰去来殺人事件] 作者評価:C

祭壇

 講談社大衆文学館『奇想ミステリ集』に収録。

妻の忍法帖

逆艪試合

 忍法帖短篇の真骨頂を発揮していると言うべき、馬鹿馬鹿しさを極限まで追究した傑作であり、また私お気に入りの一篇でもあります。
 太平の江戸に突然現れた、場違いなほどに「恐ろしく強力な男」神子上背鬼。操る兵法は敵に背中を向けて斬りつけるという脅威の剣術「逆櫓一刀流」。婚約者であるお琉の策謀で、はからずも背鬼と真剣で勝負することになってしまった柳生采女は一体いかにして逆櫓一刀流を破るのか。
 背中を向ければ天下無敵という剣法が出てきた時点で、この短篇はすでに傑作です。さすがにそんなものを考えた人間は、これまで他にいないでしょう。しかもその破り方がいかにも山田風太郎。無茶苦茶ではあっても何となく説得力のある、奇妙であってもユーモラスなものです。ラストに用意された采女の愛人、絵太夫右近の手紙まで、じつに読ませる造りにもなっています。
 この作品は
講談社ノベルズ『くノ一紅騎兵』に収録されています。

捧げつつ試合

殺人喜劇MW

 ハルキ文庫『厨子家の悪霊』に収録。

殺人蔵[妖説忠臣蔵] 作者評価:C

さまよえる忍者

さようなら

 角川ホラー文庫『跫音』に収録。

笊の忍法帖

笊の目万兵衛門外へ

 河出文庫『おれは不知火』、廣済堂文庫『ヤマトフの逃亡』に収録。

山窩まだら雲[いだてん百里] 作者評価:D

斬奸状は馬車に乗って

 河出文庫『明治忠臣蔵』、筑摩書房より出版。

三剣鬼

 廣済堂文庫『切腹禁止令』に収録。

三十人の三時間

 角川ホラー文庫『跫音』に収録。

 



色魔

 集英社文庫『天使の復讐』に収録。

地獄太夫

 集英社文庫『怪異投込寺』に収録。

死言状(エッセイ集) 作者評価:A

 富士見書房より出版。

司祭館の殺人

 講談社大衆文学館『奇想ミステリ集』に収録。

死者の呼び声

 ハルキ文庫『厨子家の悪霊』に収録。

死せる潘金蓮[妖異金瓶梅15] 作者評価:A

疾風怪盗伝

自動射精機

 講談社大衆文学館『奇想小説集』に収録。

死なない剣豪

 廣済堂文庫『死なない剣豪』に収録。

死顔を見せるな

 廣済堂文庫『長脇差枯野抄』に収録。

死人館の白痴

忍びの卍 作者評価:A

 舞台は三代将軍家光の治世。家光には弟である駿河大納言忠長が邪魔なのだが、さりとて理由も無く始末はし難い。そんな情勢とはまったく関係が無さそうな場所で、土井大炊頭からその部下椎ノ葉刀馬に、根来・伊賀・甲賀の忍法三流派のうち、どれが一番役に立つかを審査せよという命が下った。刀馬はそれぞれの代表選手、虫籠右陣・筏織右衛門、百々銭十郎の三人の忍法を審査する。その結果が甲賀に決まるや、落選組の右陣・織右衛門の二人は逃走、しかもその行先は駿河大納言の蟄居先であった…いったい何が起こっているのか。
 これもまた、山田風太郎らしい、非常に構成的な作品です。誰がなぜそのように動くのか、主人公である刀馬の視点からは明かされないようになっており、現場では右陣が演出家として動き、さらにその背後には脚本家たる土井大炊頭が控えているというのですから。
 最後に明かされる、土井大炊頭が三人の忍者に下した命令によって、それまでのテキストがまったく異なる相貌を現す瞬間には刀馬と一緒に呆然としてしまいましたが、ラストはその種明かしに止まるものではありません。最後の最後まで気を抜けない造りになっています。百々銭十郎による大奥版「屋根裏の散歩者」など、細かい部分も楽しめます。これもまた、Aクラスに相応しい力作と言えるでしょう。
 蛇足ながら。忠長殺しについては、現在中公文庫から出ている三田村鳶魚シリーズの7冊目『御家騒動』の中、およびその解説において詳しく触れられています。
 この作品は、
講談社ノベルズの一冊として出版されています。

四分割秋水伝

 短篇集『明治バベルの塔』中の一作として、文春文庫出版芸術社筑摩書房より出版。

〆の忍法帖

 講談社ノベルズ『剣鬼喇嘛仏』に収録。

下山総裁

邪淫の烙印[妖異金瓶梅10] 作者評価:A

芍薬屋夫人

 集英社文庫『怪異投込寺』、河出文庫『伝馬町から今晩は』に収録。

麝香姫[妖異金瓶梅7] 作者評価:A

邪宗門頭巾

邪宗門仏

 廣済堂文庫『売色使徒行伝』に収録。

しゃべる男

十三角関係 作者評価:B

 廣済堂文庫として出版。

十三の階段[連作第一回]

十字架姫

獣人の獄

 集英社文庫『怪異投込寺』、河出文庫『伝馬町から今晩は』に収録。

数珠かけ伝法

 ハルキ文庫『幻妖桐の葉おとし』に収録。

修羅維新牢 作者評価:C

 廣済堂文庫として出版。

呪恋の女

 角川ホラー文庫『跫音』に収録。

春本太平記

 講談社大衆文学館『奇想ミステリ集』に収録。

春夢兵

蕭蕭くるわ噺[ありんす国伝奇] 作者評価:C

書庫の無頼漢[青春探偵団] 作者評価:B

女妖

 講談社大衆文学館『奇想ミステリ集』に収録。

地雷火百里[いだてん百里] 作者評価:D

自来也忍法帖

知らない顔

 集英社文庫『天使の復讐』に収録。

白波五人帖(短編集) 作者評価:B

この短編集は集英社文庫から手に入ります。

不知火軍記

 ハルキ文庫『みささぎ盗賊』に収録。

自律神経失調同盟

 ハルキ文庫『男性滅亡』に収録。

白い夜

新かぐや姫

 講談社大衆文学館『奇想ミステリ集』に収録。

神曲崩壊

 朝日文庫として出版。

蜃気楼

 出版芸術社『怪談部屋』に収録。

信玄忍法帖 作者評価:A

 講談社ノベルズ富士見時代小説文庫から出版。

心中見物狂

新選組の道化師

 廣済堂文庫『ヤマトフの逃亡』に収録。

寝台物語[連作]

 廣済堂文庫『天国荘奇譚』に収録。

 



厨子家の悪霊 作者評価:C

 ハルキ文庫『厨子家の悪霊』に収録。

砂の城[青春探偵団] 作者評価:B

スペロヒータ氏来朝記

 廣済堂文庫『売色使徒行伝』に収録。

 



青春探偵団(短編集) 作者評価:B

構成:幽霊御入来、書庫の無頼漢、泥棒御入来、屋根裏の城主、砂の城、特に名を秘す

内容:六篇の連作短篇で、山田風太郎には珍しい少年小説。題からわかるとおり、推理もの仕立てになってはいますが、謎解きが主体の作品ではないようです。むしろ学園ものと言った方がよいでしょう。「山田風太郎の学園もの?」と首をかしげる向きもあろうかと思われますが、そう思われるならまず読まれんことをお勧めします。最後の「特に名を秘す」のラストでは、「山田風太郎がこういうものを書くか?」という気になること請け合いです。現在手に入る廣済堂文庫版は、初版のロマンブックス版に「書庫の無頼漢」を加えたものです。

書誌情報は廣済堂文庫へ。

青春探偵団

青銅の原人

 講談社大衆文学館『奇想ミステリ集』に収録。

西門家の謝肉祭[妖異金瓶梅9] 作者評価:A

切腹禁止令

 廣済堂文庫『切腹禁止令』に収録。

戦艦陸奥

 ハルキ文庫『黒衣の聖母』に収録。

潜艦呂号99浮上せず

 ハルキ文庫『黒衣の聖母』に収録。

銭鬼[妖異金瓶梅3]

一九九九年

 ハルキ文庫『男性滅亡』に収録。

戦中派不戦日記

 講談社文庫として出版。

戦中派虫けら日記

 未知谷より出版。

 



宗俊烏鷺合戦

 廣済堂文庫『長脇差枯野抄』に収録。

双頭の人

 角川ホラー文庫『跫音』、出版芸術社『怪談部屋』に収録。

それからの咸臨丸[明治波濤歌] 作者評価:A

 『明治波濤歌』中の一篇として、河出文庫および筑摩書房から出版。

 


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