忍者・ま行



真壁右京(忍者月影抄

 



御堂雪千代(忍者月影抄

虚栗七太夫

水無瀬竜斎(忍者月影抄

蓑念鬼(甲賀忍法帖
 
伊賀の忍者。鍔隠れ十人衆のひとり。蓬髪―ボサボサ髪だけでなく、顔と手足を除く体中を毛に覆われた男です。彼の忍法はその毛を用いたものです。
蓑念鬼の髪は生きている。髪そのものに自律の神経がかよっているのだ!(中略)すなわち念鬼は四肢のみならず、数万本の手足をもっているにひとしいといえる」(ノベルズp.97)
おお、逆立ったのは念鬼の髪ばかりではない。その全身の毛が豪猪のごとく立っていた。それは毛ではなかった。針そのものであった!
 苦悶の絶叫をあげようとするお胡夷の唇をはなさなかったのは念鬼の方だ。胸から腹へ、腹からうちももへかけて、無数の毛針に刺しつらぬかれ、七転八倒する娘を抱きしめたまま、血色の念鬼の眼が、その痙攣をたのしみぬくようにけぶっている
」(同p.114)
 この忍法にも医学的だか何だかわからないような解説がついていますが、まあそれは本文を読んで確認してください(^^; この術は、相手と密着する状況が生じる場合には非常に有利で、それゆえお胡夷を倒すこともできたわけです。しかし、死ぬにあたっては、豹馬の瞳術によって自分の術が跳ね返され、己が髪で眼を貫く羽目になってしまいました。



虫籠右陣(忍びの卍
 
根来・伊賀・甲賀の忍法審査における根来組の代表選手。その姿は「髪は総髪にして、まるまると樽みたいにふとり、その皮膚がつやつやとまっ白で、眼が細く、代りに、厚ぼったい唇が気味わるいほど真っ赤で――とうてい武士の人相の男ではない」(ノベルズp.16)と描かれます。彼の操る忍法は二つ。一つは、敵の発する殺気を感知する「忍法暗殺剣」。もう一つは…
右陣はにぎった娘の手を、じぶんの口の前へ持っていってまるで牛の舌みたいな大きな舌で、その掌をぺろりとなめた。(中略)
 おそらく、嫌悪のためであろう、虚空をつかむように指のわななくその掌は、ぬれるというより、かたつむりの這ったような銀色の膜で塗装されていた。
「すなわち、
忍法ぬれ桜。――」(中略)
「この掌――この娘の女陰と化したのでござる」
」(ノベルズpp.24-25)
 正確には女陰ではなく、敏感な性感帯になったということなのですが、右陣は女人に言うことをきかせるため、また術によって色気を増した女人によって罠を張るために、この「忍法ぬれ桜」を使いまくります。男としてはぜひ教えていただきたい忍法とも言えますが、術をかけた女性がそれきり元に戻らないのはやはりちと困りますかな。
 上記の忍法の示す限りでは、右陣は単なる逃げ足の速い助平忍者としか思われず、また実際に描かれたところもその通りに読めるのですが、彼の働きはそう読めるだけのものではなく、作品の最後で土井大炊頭に「徳川名代最大の忍者」とまで言わしめるほどのものでもあったのです。何がそうなのか、については作品でお確かめください。

無明綱太郎(忍法忠臣蔵)

室賀豹馬(甲賀忍法帖
 
甲賀の忍者。卍谷十人衆のひとり。甲賀の重鎮の一人であり、弦之介の瞳術の師でもあります。その姿は「総髪を肩にたれた顔は青白く、学者のような感じの男だが、その両眼はとじられたままであった。盲目なのである」とあります。盲目なのに瞳術の師とはいかに?という疑問も湧きましょうが、この豹馬の眼は夜の間のみ開くのです。
盲目の室賀豹馬に、弦之介は、見よと命じた。と、とじられていた豹馬の両眼が、徐々にひらいていった。その眼は金色であった。
「あっ」
 一刹那、脳髄に閃光のような衝撃をうけて、蓑念鬼はとびのいていた。
 あの不可思議な瞳術をもつものは、甲賀弦之介だけではなかったのだ!
」(ノベルズpp.146-147)
 術の内容は弦之介と同様。攻撃者が豹馬に敵意を持ってその眼を見てしまうと、攻撃が自らに跳ね返ってしまうというもの。豹馬はこの忍法で蓑念鬼を倒しましたが、盲目となって術の通じなかった筑摩小四郎によって倒されます。



女坂半内(忍法忠臣蔵)

 



百沢志摩(忍者月影抄

 


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