忍者・さ行



猿飛天兵衛

 



司馬一眼坊(柳生忍法帖

地虫十兵衛(甲賀忍法帖
 
甲賀の忍者。卍谷十人衆のひとり。『甲賀忍法帖』中で最も異様な肢体をもった忍者。
「ゴロリところげだした地虫十兵衛の姿をみて薬師寺天膳以外のものは、みんなあっとさけんだ。十兵衛の両腕はなかった。両足もなかった。それは巨大な一匹の芋虫であった。(中略)
 恐怖のさけびをあげて、さすがの天膳が十兵衛をのぞきこんだ。その胸から腹へかけて、いちめん、何やらえたいもしれず、もの恐ろしげなものがうす光ってみえたのだ。
 ―それは、鱗であった!十兵衛の皮膚は角化して、横に網の目が走り、大蛇の腹部そっくりの形相を呈していたのだ!」(ノベルズpp.55-57)
 彼の特技は、占星術に、槍の穂先を口から吐き出す奇襲攻撃。しかし、一番異様なのはその走る姿でしょう。体をうねらせて這うならば、普通の忍者が走るよりも速く移動するのですから……まったくわけがわからない。
 しかし彼もやはり、薬師寺天膳を一度は刃にかけたものの、不死の秘密を知らなかったために天膳によって倒されます。

城ヵ沢陣内(忍者月影抄
 
伊賀鍔隠れの忍者。公儀お庭番の一人。容貌は「のっぽながら、むしろやせた――顔まで馬面といっていいほどほそながい、これは唐人飴屋であった。背には銅バツ〔字が出ません〕をかけ、胸にチャルメラを垂らし、腰に飴を入れた胴乱をさげ、可笑しな唐人服をきている」(ノベルズp.45)と描かれます。彼の操る忍法は、その銅バツ(シンバルのようなものと思いませう)を用いたもの。すなわち「忍法銅拍子」です。
「さけびとともに、金色の一閃は、ふたたび竜斎の頸を横に走った。それは蝋を薙いだように通り抜けた。あとに竜斎の首はなかった!
 野球でホームランを打たれることを「持ってゆかれた」という。その形容どおり、彼の首はみごとに持ってゆかれたのである」

 しかし、陣内の口にする「唐のなあ、唐人の寝言には、安南こんなん、スラスンヘン、スラヘンショ。――」という文句は本当に古いものなんでしょうか。ちょっと引っかかります。

白糸錠閑(忍法忠臣蔵)



水呪坊(伊賀忍法帖
 
果心居士の弟子であり、松永弾正の配下となる忍法僧の一人。彼が操るのは「忍法月水面」であります。
「水呪坊は、月のさわりにある遊女から経血を採った。薄紙にひたし、まるめて血の礫とした。いくつも、いくつも、何十回となく。
 空になげれば風にのって真紅の花のごとくひらき、ひとたび相手に貼りつければ肉仮面さながら吸着し、その息の根をとめる
忍法月水面。―そのじつは、その名のごとく女人の経血をもって作るのであった」(ノベルズp.100)
 何と申しましょうか、『家畜人ヤプー』的に生臭い忍法です。
 水呪坊はまず片足を城太郎に切られ、その足を接いでいる最中に羅刹坊が殺されてしまったために一本足となってしまい、その後柳生衆が現れて忍法僧たちが混乱している間に、猿沢の池の中に引き込まれ、首を切られて殺されました。

お杉(忍法忠臣蔵)

砂子蔦十郎(忍者月影抄

墨坂又太郎



蝉丸右近

 



 

 


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